2014年10月31日金曜日

戦略的広報推進協/初の工業高キャラバン実施

 国土交通省や建設業界団体などでつくる建設産業戦略的広報推進協議会(事務局・建設業振興基金)は30日、埼玉県立熊谷工業高校で「工業高校キャラバン」を実施した。将来を担う若者に建設業の魅力や役割を知ってもらおうと、協議会として初めて企画した試み。12年2月に完成した東京スカイツリー建築工事で作業所長を務めた大林組東京本店建築事業部安全環境部の田渕成明部長が、難工事に当たって投入した数々の技術を紹介しながら、高さ634メートルの世界一の電波塔を完成させていった様子を伝えた。
 キャラバンには、建築科の2年生35人(うち7人が女子)が出席した。冒頭、国交省の屋敷次郎建設市場整備課長は、インフラの整備・維持管理や災害対応など「地域の守り手」としての建設産業の役割を説明。その上で「CS(顧客満足)はES(従業員満足)から」といった考え方で、若者が将来を託せるような産業になるようさまざまな施策を展開していることを紹介した。
 田渕氏は講演で、狭い敷地での施工を実現するために投入した特殊基礎工法や施工管理に用いた先端技術を解説。途中、東日本大震災で激しい揺れに見舞われたことなども交え、前人未踏の領域での工事の難しさとやりがいを生徒たちに伝えた。大林組の工事現場でとび工の職長として働く鈴木組の中村俊氏も、他の職長と連携して進める現場での作業を説明した。熊谷工高を皮切りにした本年度のキャラバンは計5回を予定している。

スカイツリーの工事の話に聞き入る生徒

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