2014年11月14日金曜日

フジワラ産業/火山の爆発未然防止、ガス抜き工法の開発着手/共同開発者を募集

 水処理装置・防災設備機器メーカーのフジワラ産業(大阪市西区、藤原充弘社長)は、火山で起きる大規模な水蒸気爆発を未然に防ぐ「FM式ガス抜き工法」の開発に着手した。山体に差し込んだパイプを通して、爆発前に膨張した水蒸気やガスを外に逃がし、内部の圧力と温度を下げて大規模爆発を防ぐ仕組み。実用化に向けて共同開発者を募集している。  死者・行方不明者63人を出した9月の御嶽山の噴火は、マグマだまりの熱で地下水が熱せられて水蒸気となり、その圧力で土砂とともに噴き上げられる水蒸気爆発だった。  新工法では、火山内部の状況を地震計や全地球測位システム(GPS)などで把握した上で、火口周辺や斜面から山体にパイプを複数差し込み、爆発前に膨張した水蒸気やガスをパイプから逃がす。内部に空気を送り込むパイプと、内部の水蒸気などを外に出す排出用のパイプを設置。山体表面の数カ所で分岐させ、バルブの開閉によって水蒸気などの放出を制御する。パイプ取り付け口は、高圧の水蒸気などに耐えられるよう、重量型基礎を採用して高耐圧性を確保するという。  水蒸気爆発以外に、水蒸気マグマ爆発とマグマ爆発が懸念される火山では、マグマだまり近くまでパイプを差し込んで水や空気を送り込み、水蒸気などによる小規模爆発を誘導。マグマの通り道を作ることで小さな爆発を繰り返し発生させ、大規模爆発の要因を取り除くこともできるという。  同社は噴石などから身を守る鋼鉄製シェルターも開発中。噴火危険地域の住宅や宿泊施設の避難設備、災害派遣職員用の設備として製品化を急ぐ。

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