2015年1月30日金曜日

One Step/三井不「日本橋再生計画」/「江戸下町」のにぎわいを

 ◇歴史・文化生かし街を進化  三井不動産が東京の日本橋・八重洲一帯で進める「日本橋再生計画」。昨年10月に完成した日本橋室町東地区に続く第2ステージを指揮する新原昇平日本橋街づくり推進部長は「歴史、文化、コミュニティーなどを生かした街に進化させる」と意気込みを語る。  三井不は昨年、32年ぶりの公募増資で3000億円超を調達。国家戦略特区制度を活用した首都改造戦略を「都心創生」の好機と捉え、開発事業に積極的に投資する。  中でも重点エリアと位置付ける日本橋の再生計画の第2ステージは、東京五輪が開かれる2020年を一つの目標に8地区の再開発を並行して進め、最大で総延べ約200万平方メートルの施設群を誕生させる。  モデルとなるのは、東京メトロ銀座線三越前駅に近接した五つの街区を一体開発した室町東地区だ。江戸の下町のにぎわい創出を商業施設部分(COREDO室町)のコンセプトにした再開発施設は「日本橋を金融や医薬などのビジネス街としてだけでなく、歴史・文化・コミュニティーといった魅力と強みを生かした街に進化させる先導的なプロジェクトだ」と高く評価する。  人気スポットになった室町東地区の開発で「第2ステージで開発する地域の人々が将来の街をイメージしやすくなった」。室町東地区の姿を実際に見てもらうことで、権利者の合意形成を円滑化し、事業を加速させる。「面的な街づくりの観点から各地区の機能や役割を相互に補完・連携させ、全体の活性化を図りたい」。  第2ステージで先行するのは、高島屋日本橋店を含む複数街区を一体開発する「日本橋二丁目地区」(全体竣工予定18年度)、武田薬品工業などと共同開発する「日本橋本町二丁目特定街区」(同17年10月)、三井別館などを再整備する「日本橋室町三丁目地区」(同19年3月)。東京駅前の八重洲では三井不も複数の再開発事業の参加組合員として事業化に向けた検討を進めている。  「特に企業の成長をサポートする機能や、観光需要を取り込む仕掛けなどに知恵を絞り、地域の人やビジネス街の人たちと一緒になって街を盛り上げていきたい」。世界に誇れる都心の創生に向けた挑戦が始まる。



「コレド室町が再開発モデル」と語る新原部長

0 コメント :

コメントを投稿