2015年2月20日金曜日

野村不/新宿野村ビルの長周期地震動対策工事に着手/最上階に制振装置設置

 野村不動産は、東京都新宿区の「新宿野村ビル」(西新宿1の26の2)の長周期地震動対策工事に着手した。竹中工務店と共同開発した制振装置「デュアルTMD-NT」をビル最上部の52、53階の屋内に設置する。設計・施工を竹中工務店が担当し、16年9月の竣工を目指す。事業費は非公表。
 新たに開発したデュアルTMD-NTは、建物の揺れと逆方向に動くおもりを使って建物の揺れを抑制するTMD(チューンド・マス・ダンパー)を活用した装置で、高さは3メートル。700トンのおもりを2段積層ゴムとリニアスライダーで支持し、建物の揺れ幅が小さい時は積層ゴムが、大きい時はリニアスライダーがスライドし、長周期地震動の揺れを軽減する。高さ209メートルのビル最上部の両端に1基ずつ設置する。設置後は建物の揺れ時間が半減し、地震による最大変形が10~20%抑えられるなど揺れ幅を低減する効果があるという。
 既に十分な耐震性能がある新宿野村ビルに最先端の制振性能を付加することで、テナント企業や来館者の安心感を高めることが狙い。野村不は改修方法の選定に当たり、テナントの専有部内にダンパーを設置せず、既存のエレベーターで部材を小分けにして運搬できる竹中工務店のデュアルTMDを選定し、両社で新宿野村ビルに適した装置に改良した。
 デュアルTMD-Nは1月26日に国土交通大臣認定を取得済み。両社共同で制振装置の構成に関する特許を出願している。

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