2015年4月24日金曜日

【東京の道路を冷やせ】五輪開催に向け公道の暑さ対策検討開始

都心の道路がどう変わるのか、検討成果に期待
 2020年に開催される東京五輪では、マラソンや競歩といった公道で行う競技の出場選手や観客を真夏の酷暑からどう守るかが大きな課題になっている。ヒートアイランド現象がますます深刻化している東京都心部。真夏の日中、都心の繁華街やオフィス街は想像を絶する暑さになり、生命の危険すら感じることもある、と言っても過言ではない。

 こうした状況を改善するため、国土交通省は暑さ対策を検討するための有識者会議「アスリート・観客にやさしい道の検討会」を発足させた。路面温度の上昇を抑える舗装技術を採用し、選手の好記録を引き出すとともに、観客の熱中症防止も図る。今夏に都内の道路で競技や観戦に適した遮熱性舗装や保水性舗装の効果を検証。マラソンコースなどへの導入に向けた具体方策作りに乗りだす。五輪後に国内外で日本の環境舗装技術を普及拡大させる狙いもある。

 これまでの環境舗装は車両通行に重点置き開発・実用化されてきた。今夏に行う環境舗装の検証では、道路を実際にランナーに走ってもらい、体調の変化や靴の脱げやすさなどを調べる。有識者会議では、競技に使われる道路の暑さ対策として、植樹による緑化や水を霧状に散布するミストステーションの設置なども議論。観客の利便性や安全性を高めるため、歩道でのオープンカフェ設置や段差・傾斜の解消といったバリアフリー化の具体策も話し合う。

 東京五輪は1年のうちで最も暑い7~8月に開催される。マラソンなど公道を使用する競技の具体的な対象路線はまだ決まっていない。暑さ対策ばかりに目が向くが、実は透水性舗装は表面に多くの空隙があるため摩擦係数が高く「シューズの引っかかりが良くて走りやすくて好記録が狙える」(市民ランナーで事情通のHさん)という。

0 コメント :

コメントを投稿