2015年4月23日木曜日

【修繕、代行します】四国整備局が老朽インフラの維持管理で自治体支援/初弾は大渡ダム大橋

 


仁淀川の上流部に架かる大渡ダム大橋
 自治体が管理し、老朽化している橋梁の修繕を国が代行する試みが、高知県でスタートする。四国地方整備局は15年度、高知県仁淀川町が管理する「大渡ダム大橋」の修繕を、同町に代わって行う取り組みを開始。全国的にも初めての試みで、老朽インフラの維持管理や修繕が大きな問題としてクローズアップされていることから、注目度が高い事業といえる。
 大渡ダム大橋は、高知県の仁淀川に架かる吊り橋。長さは444メートルで、橋梁形式は1径間単純合成橋+1径間補鋼トラスつり橋+単純合成鈑桁橋3連+2径間連続非合成鈑桁橋の全7径間。1983年の架設から32年が経過し、老朽化による腐食などの損傷が多く発生している。

点検で確認したボルトの腐食
 昨年9月には、同整備局が道路メンテナンス技術集団による直轄診断を実施。橋梁点検車や高所作業車を用いた近接目視による調査を行った。その結果、つり橋のメーンロープやハンガーロープで腐食が進んでいたほか、両ロープのジョイント部のボルトの緩みなども発見した。
 本来は、橋を管理する仁淀川町主体となってが修繕するのだが、つり橋の補修には高度な技術が必要なため、地方公共団体への支援策として同整備局が修繕を代行することにした。
 橋梁やトンネルなどインフラストックの老朽化対策は、多くの施設を管理する自治体にとって財政、技術の両面で頭の痛い問題。国の支援がこれまで以上に求められるのは自然な流れと言える。
 国交省は、この問題への対処策として緊急性があり、技術的にもハードルが高い橋梁を対象に、「直轄診断」と名付けた取り組みを14年度に始動。四国整備局は大渡ダム大橋の診断を行い、15年度から修繕代行を行うことにした。実際にどのような作業を行うのか、ケーブルの交換など具体的な内容は今後詰めるという。

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