2015年6月24日水曜日

【じいじに頑張ってもらおう】日建協・女性技術者会議がゼネコン保育所整備など提案


 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協、植村芳輝議長)は22日、傘下組合の女性技術者が働き方の「ロールモデル」を議論する女性技術者会議を東京都内で開いた。13人の参加者が3班に分かれ、それぞれモデルを検討=写真。複数のゼネコンが連携した「ゼネコン保育所」や、子育て世代が交流する「ゼネコンママ会」の設置に加え、退職した男性らの「ゼネじじ」による子育てや若手技術者の支援体制の構築などを提案した。介護と向き合う体制の整備も課題に挙げた。
 女性技術者会議は、女性の視点から建設産業のワークライフバランス(仕事と家庭の調和)を議論するため09年度に設置した。女性技術者を増やす方策などを検討し、14年は建設産業に女性を増やすために、女性に合う作業着の導入や、女性のロールモデルの提示などを提案した。この日は「誰にとっても働きやすい建設産業を実現するために必要なこと」と題し、仕事と生活の両面から、22歳から定年までのロールモデルをあらためて検討してもらった。

 ◇ゼネコン保育所、「ゼネじじ」活躍を提案◇

 1班は、生活時間の確保や休日増が必要と指摘し、効率の高い業務手法の確立と併せ、「いつ業務から抜けてもいい状態が必要」と提案。子育てを産業として支援するために、複数の企業でゼネコン保育所を設置し、駅や自宅までの送迎も行う仕組みが効果的という案をまとめた。
 2班は、現場に余裕をもたらすために要員増加を求めると同時に、子どもが急病になった際の対応を同僚だけでなく同業者にも託せるような「ゼネコンマンション」への居住を提案。仕事を優先する人の中に結婚や出産の年齢が高くなるケースがあるため、「プライベートを話し合った上で進む道を決めるべき」という現実的な意見も提示した。併せて工事長などを経験して退職する55歳以上の「ゼネじじ」が、子育て支援など業界全体の問題に関与し、建設の楽しさを周囲の子どもに伝えるような仕組みが「入職の好循環になる」とした。
 3班は、女性技術者としての実績、能力の向上に取り組みながら、管理職の打診があった際には「自分、後輩にとってのプラスを考え、引き受けるか判断すべき」と主張。子育て支援と同様に、介護支援の必要性も指摘した。
 会合を締めくくった時枝将雄政策企画局次長は「働く者の目線で考えることができるのは労働組合だけ。ネットワークを活用し、よりよい産業にしていきたい」と述べた。

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