2015年6月10日水曜日

【回転窓】車には音も必要

 車の運転が好きな人の中には、エンジン音が魅力という人も少なくない。メーカーやエンジンの型式によって音は異なるので、それが車の個性にもなる。シフトチェンジを繰り返しながら加速していく時のエンジン音には、確かに胸を高鳴らせるものがある▼先日、大手電子楽器メーカーのローランドと、京都大学発の電気自動車(EV)ベンチャー・GLMが、EVの運転状況に応じた走行音を発生させるシステムを開発したと発表した。シンセサイザーの技術を応用し、加・減速時などの走行音を車内のスピーカーから流すそうだ。好みの音を数種類から選べるというから随分と親切である▼静粛性も売り物にしているEVにわざわざ音を付けるのは、走りを楽しむのには物足りないとの声があったためという。EVの走りを演出する音とはどんなものか、一度聞いてみたい▼車の音には、車内での走りの楽しみとは別にもう一つ、周囲に車の存在を知らせるという大事な役割もある。特に目の不自由な人にとっては音の出ない車は凶器にもなろう▼騒音は困るが、楽しみや安全には音も必要。難しいものである。


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