2015年6月4日木曜日

【回転窓】自然への畏怖と共生

 草津よいとこ一度はおいで-。草津節に合わせて着物姿の女性が長い板で湯をかき混ぜる「湯もみ」で有名な群馬県の草津温泉。湯もみショーの会場で知られる観光施設「熱の湯」が建て替えられた▼先月9、10の両日に現地で「湯もみダンス選手権」を初開催。草津町の共同浴場「西の河原露天風呂」も同30日に新装オープンした。新たな観光の目玉に地元の期待も高まる▼世界有数の火山国である日本には、温泉地が全国に点在する。重要な観光資源の温泉は、火山活動が活発なエリアの証しでもある。首都圏を代表する温泉地、神奈川県箱根町の大涌谷周辺は先月から一部区域が立ち入り禁止となり、地元観光業への影響も深刻だ▼昨秋の御嶽山の噴火を教訓に、活火山対策特別措置法の改正案を政府が閣議決定した先月29日、鹿児島県の口永良部島で大規模な噴火が起きた。近傍の屋久島では、観光シーズン本番を前に風評被害が懸念される▼温泉をはじめとする自然の恵みは、人の力では制御しきれない自然の猛威と表裏一体でもある。自然の力への畏怖とともに、自然とうまく付き合う共生が欠かせない。


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