2015年7月14日火曜日

【記者手帖】悲惨な災害を繰り返すな


 普段は人々が何げなく暮らしている住宅地を突然襲う土石流の恐ろしさ。そうした危険のある住宅地が、全国の都市の至る所にあることを知らしめた広島市北部の土砂災害から、来月20日で1年を迎える◆被災現場では、災害発生直後から地元建設業者が応急復旧作業に当たった。出動した人は延べ2万人を超す。彼らの懸命で献身的な作業が早期の応急復旧を可能にしたことは間違いない。現地を取材するたび、地元住民から建設業者への感謝の言葉を多く聞くことができた◆建設業の重要性が広く認知されたことは、業界の報道に関わる記者としても感慨深い。「地元の安全・安心を支えることが重要な使命」と常々語っていた広島県建設工業協会の檜山典英会長も「無事故で早期の応急復旧を果たせたことを誇りに思う」と関係者の活躍をたたえる◆被災住民の傷はまだ癒えておらず、危険箇所からの移転や防災対策工事に伴う立ち退きなど難しい問題も抱える。そうした中で今年も各地から豪雨のニュースが届いている。悲惨な災害が繰り返されないよう、官民一体での対策がこれからも欠かせない。(高)

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