2015年7月29日水曜日

【だいぶ出来上がってきました】吹田市立スタジアム建設(大阪府)で現場見学会

屋根工事を終え、フィールドに芝を張る作業などに入る
 日本建設業連合会(日建連)関西支部建築委員会(中嶋啓吾委員長)は、大阪府吹田市の「(仮称)吹田市立スタジアム建設工事」で現場見学会を開いた。参加者は、設計・施工を担当している竹中工務店の職員から工事概要や施工方法などについて説明を受けた後、柱・梁などのPC化を積極的に導入している国際規格のサッカー場の施工状況を興味深く見ていた。

 ◇PC部材活用で省力化を推進◇

 作業所事務所で行われた説明会の冒頭、中嶋委員長が「建設市場が拡大する中で、若年労働者の確保を進めると共に、施工の生産性効率化が急務となっている。このスタジアムの設計・施工を受注した当初は、躯体を現場打ちで計画し、躯体職を数百人確保しなければならなかった。ところが建設市場の拡大で、作業員の確保が厳しくなり、PC化の推進で工期内に完成させることにした。作業員総数は従来計画比で約6割に抑えることができそうだ。現場では生産性向上の内容を確認いただき、各社の取り組みの参考にしてほしい」とあいさつ。竹中工務店の松尾亨作業所長が「この作業所の中野達男総括所長は、当社の集合住宅のリーダーとして多くの物件に携わってきた。その中でPC化などに取り組み、これまでの経験の集大成としてこのプロジェクトに取り組んでいる。工場生産の躯体PC化だけでなく、作業所内でPC部材を製造するサイトPCも導入した。この工事も9月末に完成させ、引き渡す。本日は現場管理の手法や免震装置で支える屋根構造などについても説明し、現場視察で確認していただく。建設業の今後のあるべき姿を議論したい」と語った。

 ◇進捗率は9割、工事は佳境に◇

 続いて同社作業所の菅原敏晃副部長がプロジェクトの概要や、PC躯体と現場打ちコンクリートの躯体の施工方法、3Dトラス構造と免震構造を適用した屋根計画、超高性能コンクリートを用いたスリム柱、小型無線操縦ヘリコプターを活用した作業所管理などを映像を使用して解説した。
 参加者からは、サイトPCの施工体制などについて質問があった。その後一行は、作業所事務所からスタジアムのグラウンドに入り、スタンドやVIPフロアなども見学した。
 同スタジアムは、プロサッカーJ1ガンバ大阪の新サッカー専用スタジアム建設費を企業やサポーターから寄付金を募っていた「スタジアム建設募金団体」が吹田市千里万博公園に計画。構造はRC・PC・S造で、延べ床面積は6万6355平方メートル。4万人を収容する。
 コンストラクション・マネジメント(CM)業務を安井建築設計事務所が担当。工期は13年12月~15年9月。7月末に屋根工事を終え、7から8月にフィールドの芝生関連工事も進めていく。進ちょく率は約9割。

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