2015年7月17日金曜日

【回転窓】サンマと建設業


 夏にみかんを食べたいという商家の若旦那のために、番頭が町中を回ってようやく見つけたみかんの値段が一つ千両…は落語の「千両みかん」。時期外れとはいえ、みかん一つに千両とはやはり法外である▼先日、東京・築地市場に初入荷したサンマの卸値が1匹当たり2500円とのニュースに驚かされた。入荷量が極端に少なかったためで、築地の初荷としては過去最高値という▼ハウス栽培の普及で季節を問わず手に入るみかんと異なり、鮮魚は海水温や潮流などに水揚げ量が大きく左右される。価格が定まりにくい事情は分かるが、このサンマ、店頭にはいったいいくらで出回るのか▼欲しい人がたくさんいるのに品物がなければ価格は上がる。工事量に対して人手が不足し、労務費が高騰しているのが現在の建設業界だが、需給バランスが崩れれば労務費は乱高下する▼業界関係者からは最近、東京五輪がある2020年以降の需要の冷え込みを懸念する声を聞く。建設業は自然任せの鮮魚とは違う。市場を安定させる方策はあるのではないか。政官民で今から知恵を絞り、対策を着実に実行していきたい。

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