2015年7月8日水曜日

【ケニアと日本の架け橋】JICAケニア事務所のスティーブ・モゲレさんが土木学会国際活動協力賞受賞

ケニアと日本の交流が「もっと活発になってほしい」と話すモゲレさん
 5月に発表された14年度土木学会賞で、国際協力機構(JICA)の海外スタッフが初めて「国際活動協力賞」を受賞した。受賞したのは、ケニア事務所のスティーブ・モゲレさん。日本の土木技術をケニアに伝え、両国の懸け橋として長年にわたって尽力したことが受賞に結び付いた。モゲレさんは日刊建設工業新聞の取材に、「とても素晴らしいことで、想像すらしていなかった」と受賞の喜びを話した。
 JICAが、ナイロビの都市開発計画を策定した際、モゲレさんはケニア政府に日本の都市計画をPR。昨年、ナイロビへの新交通システムの導入決定の足掛かりとなった。メンテナンスが行き届いていないケニア国内の道路問題の解決のため、日本では一般的な維持管理計画の策定を政府に提案し、受け入れられたという。
 日系ゼネコンの建設現場の治安向上のために、警察官の常駐や防護柵の設置にも尽力。日本人専門家が技術支援を行う際には、モゲレさんがケニアの風土に合った文脈にして伝えるなど、両国の懸け橋として活躍してきた。先進国や国際機関などが集まる援助国会議の議長を2年間務めたこともある。
 モゲレさんは「ケニアで働く日本人がこの5年間で急増している。今後ももっと活発になってほしい。日本の優れた土木技術者と一緒に仕事できる機会もあるだろう。今回の受賞は、今後も一緒に働けるようにという激励と受け止めている」と話している。

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