2015年8月6日木曜日

【変幻自在に対応するぜ】飛島建設が可変型カッター搭載シールド新工法開発

新工法の概略構造
 飛島建設は5日、シールドマシン前面のカッタービットの種類を土質に応じて変更できる新たなシールド工法を開発したと発表した。カッターの中央部とスポーク部に機械式交換装置を搭載。マシン内からカッターを交換する仕組みで、粘性土や砂層では鋭利なカッターを装着して効率よく掘削。岩盤など硬質地盤ではローラーカッターに切り替えて破砕しながら掘り進める。地中に人が出て交換するのに比べ作業が安全に短時間で済み、土質変化の著しい大深度の長距離掘進を可能にした。
 使用するカッタービットは地山の性質によって異なるため、土質の変化を伴う長距離工事ではビット交換が欠かせない。地盤改良を行った上で地中に人が出て交換する方法は、水圧の高い大深度や可燃性ガスが溶存する場合に危険が伴う。地上に重要構造物がある場合は、地盤改良ができないため、早期の交換が難しいなどの課題もあった。
 開発した新工法は、土質変化に合わせて最適なカッタービットを装着できることから、「カメレオンカッタ工法」と命名。機械式交換装置を用い、全断面に配置されたカッタービットの種類をシールドマシン内から安全かつ迅速に変更できるようにしたのが特徴だ。
 土砂山用から硬質地盤用のカッターに交換する場合、スポーク部は3カ所に配置しているシェルビット(先行して地山をほぐす役割)とローラーカッターを交換し、全掘削位置のカッタービットの種類も変更。中央部はフィッシュテール(土砂山用センターカッター)からローラーカッターに切り替える。
 交換装置は中央部とスポーク部で異なる方式を採用。掘削性能に影響を与えないコンパクトな構造で、スポーク部は交換室にカッターをブロック単位で引き込んで交換し、押し出して装着する。中央部はジャッキでカッターを押し出す。
 何回でも交換可能。泥水式、泥土圧式いずれにも対応できる。シールドマシン本体の製作は三菱重工メカトロシステムズ(神戸市兵庫区、渡邊望社長)が担当する。マシンの径は3・5~5メートル程度を想定しているという。
 開発を手掛けた飛島建設の西明良土木事業本部土木事業統括部機電グループ課長は「4日程度あれば交換可能。従来の機械式交換は、同じ種類のビット交換に限られており、種類の全面変更を可能にしたのは当社が初めてだ」としている。

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