2015年10月16日金曜日

【回転窓】古巣での手腕に注目

旧建設省出身の石井啓一国交相
2年前、当時の太田昭宏国土交通相が建設系専門学校生に行った講演を聞いた。「今、求められているのは、薄っぺらなマネーゲームではなく、技術に裏打ちされた考え方。現場力こそが日本の底力だ」▼在任2年9カ月は歴代国交相で最長。この間、インフラ老朽化問題に真正面から取り組み、担い手3法を成立させ、公共事業予算の安定的な確保をうたった第4次社会資本整備重点計画の閣議決定も主導した。建設業界に明るい道筋を付けた手腕は称賛に値しよう▼太田氏の視線の先に常に「現場」があったことは印象深い。同じ公明党出身の石井啓一氏に後を託すことになったが、内閣改造前は続投を期待する声も大きかった▼太田、石井両氏に共通するのは、共に大学で土木を学んだ点。しかも石井氏は建設省出身。当時の先輩、同僚、後輩がまだ多い中での古巣への帰還である▼就任直後の記者会見で石井氏は、担い手確保・育成のために公共投資の安定的確保が必要だと訴えた。定着した感もある「太田イズム」を継承しながら、独自カラーをどう出していくか。古巣で発揮する石井氏の手腕が注目される。

在任2年9カ月の太田昭宏前国交相㊨


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