2015年10月20日火曜日

【日本式教育に注目】マレーシア国際工科院の第1期生が卒業迎える

 日本式の工学教育プログラムを取り入れた「マレーシア日本国際工科院」(MJIIT)が、今週末に1期生の卒業式典を開く。電子システム工学科と機械精密工学科を卒業するのは73人。MJIITはマレーシア工科大学(UTM)に設置され、2011年9月に開校した。

 MJIITは、学部と大学院を持ち、研究室活動を軸にした日本流の講座制を取り入れている。学生は、日本やマレーシアにある日系企業でのインターンシップ(就業体験)を通じ、日本的な職業倫理や研究活動の実務を経験。卒業する73人のうち59人は在学中に日系27社でインターンシップを行っている。日本企業への就職が内定している学生もいるという。卒業生に対する日本企業の関心は高く、学生側も日本企業への就職を希望する人が大半を占める。進学者も日本の大学やMJIIT大学院を希望するケースがほとんどで、学生生活を通じて日本への理解と関心が高まったことがうかがえる。

 MJIITの創設時から国際協力機構(JICA)は、円借款を通じて研究機材の充実や大学運営管理の整備をサポート。技術協力として教育関係者の長期派遣や留学生の受け入れなども行ってきた。

 日本への関心を高めてもらう、優秀な人材を育て日本や海外の日系企業で力を発揮してもらうといった取り組みの中で、MJIITは明るい道筋を付ける試金石といえる。卒業祝賀会は24日、卒業式典は25日、マレーシアのジョホールバル市内で開催される。

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