2015年10月19日月曜日

【回転窓】電力全面自由化のメリットは

テスラは19世紀半ば、オーストリア帝国(現在のクロアチア西部)
で誕生。電気工学、機械工学の分野で多くの業績を残した
異能の科学者と言われたニコラ・テスラ。発明王のエジソンと電力供給システムをめぐって争い、エジソンが提唱する直流式を抑えて、テスラが考案した交流式が現在の送配電システムの主流になっていることはあまり知られていない▼テスラは1943年に86歳で亡くなったが、交流電流だけではなく、ラジコンなどの無線トランスミッター、蛍光灯など数多くの発明品を世に残した。その奇抜なアイデアは他を圧倒したといわれる▼ただ、奇抜さゆえに、周囲からはなかなか理解を得られないことも。その一つが、無線送電システムの提唱。地球の電磁波を媒介させ、電気を安価に送電しようというものだった▼実際に実験装置を米国内に建設するが、支援者が途中で資金提供を打ち切ったため、研究を断念せざるを得なかった。テスラの発想は、時代をあまりにも先取りし過ぎたのかもしれない▼16年4月の「電力小売り全面自由化」に向け、電力分野への新規参入に名乗りを上げる企業が相次いでいる。電気は人間が生活する上で最も重要なインフラの一つ。自由化のメリットを本当に享受できるのだろうか。

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