2015年10月21日水曜日

【ハウスメーカーとゼネコン】ミサワホームと飛島建設が液状化対策でコラボ

低騒音・低振動で丸太を打設=20日午前、千葉市美浜区の住宅分譲現場で
 ミサワホームが、千葉市美浜区で開発を進めている大規模住宅分譲地の液状化対策で、飛島建設などが開発した間伐材の丸太を地中に複数打ち込み、地盤を密にすることで液状化を防ぐ工法「LP-LiC工法」が採用されている。同工法は、低振動・低騒音で施工でき、建設残土が発生しないのも特徴。ミサワホームの担当者は「周辺には小学校や幼稚園、マンションが立ち並ぶ。サンドコンパクションパイル工法などに比べ、低コストで静かに施工できるため導入を決めた」と話す。

 ミサワホームは、住まいと暮らしの安心を支える防災・減災ソリューション「MISAWA-LCP(生活継続性能)」を提唱。飛島建設は「防災のトビシマ」をキャッチフレーズに防災技術を複数展開している。両社が防災・減災対策でタッグを組むのは初という。

 LP-LiC工法が導入されたのは、ミサワホームが小学校跡地に開発する住宅分譲地「アルビオコート検見川浜」(美浜区真砂3の14の1)。開発面積は約1・6ヘクタールで、一戸建ての耐震木造住宅97戸を分譲する。

 丸太は直径15センチ、長さ4メートルの大きさで、計1万3420本を1メートル間隔で打設する。小型のバックホウを改良した杭打ち機で鋼管を回転させながら圧入して地面に穴を開け、杭頭部が地面から1・2メートル下に来るように丸太を打ち込む。

 これらの対策で、国土交通省が定める「宅地の液状化被害可能性判定に係る技術指針」に基づく評価をBランクから最も高いAランクの「顕著な被害の可能性が低い」状態にする。

 丸太が地下水位以深の水の中に漬かるように打設することで木が腐食するのを防止。木から発生する二酸化炭素(CO2)を長期にわたり地中に貯蔵できる。飛島建設の担当者は「この宅地全体で一般住宅が排出する200年分のCO2を貯蓄できる」としている。

 20日に液状化対策工事の様子が報道陣に公開された。現場では3台の杭打ち機が稼働し、1日約200本のペースで丸太の打設が進む。11月末に液状化対策工事、16年2月に並行して進める造成工事を完了した後、建築工事に入り、同7月に分譲を開始する予定だ。

 LP-LiC工法は、13年に建築技術性能証明、14年に建設技術審査証明をそれぞれ取得。公園や集会所、一戸建て住宅などの新築工事に伴う液状化対策で実績を重ねている。大規模な住宅分譲プロジェクトへの導入は今回が初めてとなる。

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