2015年11月4日水曜日

【ありがとうございました】建設技術展2015近畿、2日間で1・5万人来場

会場は多くの来場者でにぎわった
最新の建設技術を集めた「建設技術展2015近畿」(主催=日刊建設工業新聞社、近畿建設協会、特別共催=土木学会関西支部)が10月28、29の両日、大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれた。テーマは「ええもん(技術)使こて、ええモン創ろ!」。153の企業や団体が出展したほか、橋梁模型製作コンテストやシンポジウム、講演会、学生のためのキャリア支援など多彩なイベントが繰り広げられ、2日間で1万5000人超が来場した。

 □技術展示□

 展示会には、国や高速道路会社、建設コンサルタント、ゼネコン、建設関係団体、メーカーなど153者が出展。▽防災▽環境▽コスト縮減▽安全・安心▽施工▽維持・更新▽IT・ロボット▽団体▽学校-の9分野に分かれ、約500件の新技術や新工法などを紹介した。京都大や神戸大、関西大、大阪工業大、大阪市立都島工業高校、明石工業高等専門学校なども日ごろの研究成果をパネルで披露した。

橋梁模型コンテスト・載荷試験の様子
□イベント□

 橋梁模型製作コンテストは、角棒や平板などの支給材料で支間長1メートル、幅員10センチの模型を2時間以内で作る会場製作部門と、事前に支間長60センチ、幅員10センチの模型を製作して展示する学生部門に分けて行われた。今年は会場製作部門に12チーム、学生部門に37チームが参加。28日午前10時30分に会場製作がスタートし、10チームが制限時間内に模型を完成させた。

 両部門とも29日午前に載荷試験が行われ、会場製作部門は25キログラム、学生部門では30キログラムの重りをつるして強度を確認。重さに耐え切れず大破する橋梁もある中、1分間の載荷に耐えたチームからは歓声が沸き起こった。

 土木学会関西支部は28日、毎年好評の「土木実験・プレゼン大会」を開き、流水模型を使ったカルマン渦の観察や、暮らしを支える橋梁、橋梁を支える構造力学などを簡易な実験装置を用いて分かりやすく説明した。

 29日は産・官の業種(官公庁、高速道路、鉄道、総合建設業、建設コンサルタント、橋梁メーカー)で働く関係者を招き、仕事内容などを紹介してもらう「学生のためのキャリア支援」を実施。就職の参考にしようと多くの学生が担当者の説明に耳を傾けていた。

姫路城「平成の保存修理工事」
□講演会・シンポ□

 特別プログラム「国宝姫路城 平成の保存修理工事~白鷺城を現代に 伝統と革新の融合~」は28日に開かれ、JV工事事務所長として現場を指揮した鹿島の河原茂生氏が大天守の外壁や屋根瓦の補修、構造の補強など約5年に及んだ工事を振り返った。

 関西ライフライン研究会は、「南海トラフ巨大地震に備えて~地震津波から大阪湾ウォーターフロントを守る~」をテーマに地震防災フォーラムを開催。大阪府都市整備部の河野敬太郎副理事が基調講演し、パネルディスカッションで近畿整備局や阪神高速道路会社、JR西日本、大阪ガスの担当者が巨大地震に備えた対応などについて活発に意見を交換した。

 NPO法人あすの夢土木(理事長=大西有三関西大学特任教授・京都大学名誉教授)のシンポジウムでは「土木の魅力再発見~漫画家から見たドボクの魅力~」をテーマに本格土木漫画「ダムの日」の作者・羽賀翔一氏が講演。大西理事長と近畿地方整備局企画部の古川光里氏、ニュージェックの赤松利之氏、大林組の羽田武司氏、大成建設の天野元輝氏を交えて土木の魅力についても語り合った。

 近畿整備局や日本建設業連合会関西支部らが参画する新技術活用促進セミナー実行委員会(大西有三委員長)のセミナー「現場で使った新技術20選」は29日開かれ、施工業者が実際に現場で活用した新技術の効果などを報告した。

小林委員長から賞状を受け取る関西鉄筋工業協組などの代表者㊨
□表彰・閉会式□

 技術展示の注目技術賞は、関西鉄筋工業協同組合と近畿建設躯体工業協同組合、日本プラスチック型枠工業会の「安全に筋を通す職人がいます!」、前田道路の「マイルドパッチ」、ジビル調査設計の「橋梁点検カメラシステム視る・診る」が選ばれた。橋梁模型製作コンテストの最優秀賞には会場製作部門が高知県立高知工業高校定時制「土佐の橋づくり」チーム、学生部門で高知県立高知工業高校定時制「night Bridge」チームがダブルで受賞した。

 注目技術賞審査委員長を務めた近畿地方整備局の小林稔企画部長と、橋梁模型コンテスト審査委員長の飯塚敦神戸大学工学部都市安全研究センター教授が賞状を贈呈し、栄誉をたたえた。

 小林委員長は「橋梁模型製作コンテストに学生が参加するなど多くの若者が会場を訪れていることは素晴らしく、明るい希望を感じた。建設展示会が今後の新技術開発や生活基盤の向上に一歩でも貢献するきっかけになることを期待している」と講評した。

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