2015年11月24日火曜日

【首都圏 Look at】横浜市、MM21地区で「10年限定」の小学校建設

本町小・第二方面校の建設予定地
モデルルームなどに暫定利用されていた
◇マンション開発で児童急増◇

 横浜市は、マンションの建設ラッシュで児童数の増加が見込まれるみなとみらい21(MM21)地区に、10年限定の小学校を建設する計画だ。同地区を通学区域とする市立本町小学校(中区花咲町3の86)だけでは児童の受け入れが困難になると判断し、緊急対応策として決めた。市教育委員会によると、分校などがあった時代には期限付きの学校が存在した例もあるが、近年では例がないという。

 建設予定地はMM21地区内の市有地。18年4月に開校予定で、現時点では閉校後に校舎は解体する予定。総事業費に25億円を見込んでいる。西区と中区にまたがるMM21地区では大規模マンションの建設が相次ぎ、居住人口が急増。北仲通北地区(中区)開発計画の変更なども重なり、子どもの数が増えている。

 同エリアを通学区域とする本町小の学級数は29(14年度)。これまでは校舎の増築などで対応してきた。だが、児童数の推移を基にした市のシミュレーションによると、学級数は18年度に31、22年度に36へと増加。増築だけでは対応が難しくなる。その後、28年度には27学級に減るとしている。この予測結果から、18年4月から28年3月までは、増えた児童を本町小で受け入れるのは困難になると判断。児童が良好な環境で学習できるよう、期間限定の学校整備に踏み切ることにした。

 計画地は西区高島1の2(みなとみらい21地区57街区の一部、敷地面積約9000平方メートル)。地下鉄みなとみらい線新高島駅に近い未利用地。本町小の通学区域とその周辺で必要な敷地面積を確保できる土地であることや、通学の距離や安全なども考慮してこの場所を選んだ。

 市は1月に、「本町小学校第二方面校(仮称)整備事業」として、建物の基本・実施設計、工事監理業務を、公募型簡易プロポーザル方式でみかんぐみ(横浜市中区)に委託した。現在、実施設計に入っている。

 プロポーザルの課題は「みなとみらい21地区にふさわしい、魅力ある学校施設のあり方」。市は当初6階建て延べ約8000平方メートル規模の建物を想定していたが、みかんぐみの提案は階数を抑えたコンパクトな計画(4階建て)。立地特性を踏まえた街づくりからの視点や、地域との関係などに配慮した創造性なども評価された。

 教室(普通教室21、個別支援教室3、特別教室7など)、体育館、プールなどを設け、10年間の暫定利用のため、建設費の削減や省エネ・省コストなどにも配慮した計画となっている。構造は汎用性があり経済的な8メートルグリッドを採用。施設のフレキシブルな利用を可能にした。鋼材量を少なくするために鉄骨ブレース構造を採用している。

 プールは屋内運動場(体育館)の上に設置することで、体育館の大スパンを確保。設備もイニシャルコストのかかる熱源を建物内に持たず、地域冷暖房の冷温水を使用するなど省エネに配慮した計画になっている。工事期間は16年10月~18年3月を予定している。

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