2015年12月17日木曜日

【回転窓】「不安」から「安心」へ

 今年も残り半月。この1年を振り返ろうとすると、前半の出来事がなかなか思い出せず、自らの記憶力の弱さをあらためて実感する▼1年の世相を漢字1文字で表す日本漢字能力検定協会が行う恒例イベントで、2015年は「安」が選ばれた。安倍政権下で成立した安全保障関連法をめぐり国論が二分されたことや、パリでの同時多発テロ、建築物の杭打ちデータ流用などによって人々の不安が広がったことが主な理由だという▼どれも世の中へのインパクトが大きく、ネガティブな印象が強い。年の半ば以降の出来事ということもあるだろうが、人は良いこと以上に悪いことの方が記憶に残りやすいのかもしれない▼建設関連の話題では、新国立競技場の整備問題で社会が大きく揺れた。安倍首相の鶴の一声で当初の計画を白紙撤回。その後に設計・施工の発注手続きがやり直され、近く事業者が決まる▼舛添要一東京都知事が先日の記者会見で選んだ漢字も「安」だった。その理由の一つは競技場の整備費が安くなったからだとか。来年こそは、安心・安全で、心安らかに過ごせる社会であるようにと願いたい。

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