2015年12月15日火曜日

【回転窓】分配の穴埋めは…

 政治とは、すなわち「分配」のことである。選良たちの日々の営為を一言でこう片付けてしまっては身もふたもないだろうが、先週決まった消費税率引き上げに伴う軽減税率をめぐるニュースは、そのことをあらためて感じさせた▼軽減税率の対象品目に生鮮・加工食品に加えて外食を含めるかどうか、自公両党が最後まで綱引きを演じた。簡単に言えば、軽減税率という恩恵をどこまで分配するかという話▼「外食の持ち帰りはどう扱うのか」などと、およそ天下国家の行く末とはかけ離れた議論が繰り広げられた。どさくさに紛れてと言うべきか、次の消費増税に伴う高齢者への給付金を、本年度の補正予算を使って前倒しで配る計画も固まったようだ▼来夏の衆参ダブル選もささやかれる中、浮き足立つ議員には分配の手柄が生命線なのだろう。しかし、分配すべきものが恩恵だけではないことを忘れてもらっては困る▼成長の豊かな果実を配るだけでよかったかつてとは違い、今は負担の分配こそが大切な時代である。恩恵の分配で生じる穴を誰が埋めるのか。票にならぬ層へのしわ寄せは御免こうむりたい。

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