2016年2月12日金曜日

【回転窓】定時性と安全・安心

きのうの朝、通勤電車の線路内に何度も人が立ち入り、駅のホームでは転落事故が発生。安全確認と救助でダイヤが大幅に乱れた。日本の鉄道の定時性は世界トップクラスとされるが、朝の過密ダイヤの復旧は簡単ではないようだ▼交通機関を利用する際は、鉄道の定時性、航空機の長距離移動の速達性、バスの機動性など、他の交通機関よりも優れる点を見比べる。仕事や観光など移動目的によって選ぶ交通機関も変わる▼それでも日本人の気質なのか、時間を守ることへの執着は他国に比べても強いとされる。特に朝の通勤・通学時間帯の交通機関の乱れには敏感だ。先月中旬に大雪が降った首都圏では鉄道の運休や遅れが相次いだ。駅への入場制限もかかり、線路沿いを歩いて会社に向かう人も目立った▼社会から当たり前のように求められる定時性。定時運行を追求するあまり、過去には数分の遅れを取り戻すのに列車の走行速度を上げた結果、大惨事を招いたことも▼各交通機関は定時性や速達性などを高め、旅客サービスの向上に取り組むが、安全・安心がその大前提であることを忘れてはならないだろう。

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