2016年2月16日火曜日

【無事の完成を】東と西でトンネル貫通相次ぐ

◇高松道・三木トンネル貫通/施工は安藤ハザマ◇

 西日本高速道路四国支社が進めている高松自動車道4車線化工事のうち、香川県のさぬき市と三木町をつなぐ三木トンネルが貫通し、12日、トンネル坑内で貫通式が執り行われた。4車線化工事では8本のトンネルが計画されているが、貫通は初めて。

 高松自動車道4車線化は、徳島県鳴門市~高松市境間51・8キロを暫定2車線から完成4車線へ拡幅する事業。繁忙期などの交通集中による渋滞の解消や交通安全の向上、災害時の代替機能の強化などの効果が期待されている。13年度から工事が進められており、18年度末の開通を目指している。

 貫通した三木トンネルは、延長784メートル、幅員10・5メートル(2車線)。NATMによる補助ベンチ付き全断面掘削方式で15年5月から掘削を進めていた。施工は安藤ハザマが担当している。

 式典には、大山茂樹さぬき市長や筒井敏行三木町長、大木俊之西日本高速道路四国支社高松工事事務所長、工事関係者、地元代表者ら約100人が出席。

 大木所長、大山市長、筒井町長の3人が発破ボタンを押すと爆音が坑内に響き渡り、無事に貫通した。大木所長は「4車線化で初の貫通を無事故・無災害で迎えられることは、これから本格化する工事の契機となるもので大変意義深い。施工者の皆さまに感謝したい」とあいさつを述べた。

 この後、通り初めや鏡開き、万歳三唱などが行われ、出席者全員で貫通を祝った。竹内孝光安藤ハザマ執行役員土木事業本部担当は「無事に貫通はしたが、今後は完成に向けて一層安全に配慮し、良いものをつくるように努力したい」と決意を述べた。


 ◇福島県いわき市では五郎内トンネル/施工は竹中土木◇

 東北地方整備局が4車線化を進める国道49号平バイパスの五郎内トンネル(延長374メートル)が15日に貫通し、福島県いわき市平上荒川の現地で貫通を祝う式典が開かれた。

 五郎内トンネルは同バイパスに設ける二つの橋と2本のトンネルのうち最後の構造物。近接地に整備する上荒川トンネル(262メートル)の工事と合わせ、竹中土木が施工を担当。今夏ごろまでに両トンネルを完成させ、4車線で供用を開始する予定だ。

 平バイパスの計画地は、いわき市常磐上矢田町~好間町北好間の延長7・7キロ。施工中の区間となる上荒川地区(平上荒川~内郷御厩町)では、NATMにより2本のトンネルを建設する。一連の工事は「国道49号平バイパス上荒川地区トンネル工事」として発注された。

 貫通した五郎内トンネルは地質が砂や泥岩で軟らかく、コンクリートを吹き付けながら1日4~5メートルずつ慎重に掘り進めた。上荒川トンネルは14年12月に先行して貫通した。幅員はいずれも11・25メートル。

 式典には、清水敏男いわき市長や坂井康一磐城国道事務所長、竹中康一竹中土木社長ら関係者多数が出席。貫通点の通り初めや鏡開きを行い、工事が大きな節目を迎えたことを祝った。
 式典で坂井所長は「平バイパスで最後のトンネルが貫通し、開通に向け一歩前進した」とあいさつ。

 清水市長は「市内には渋滞が多く、一日も早い事業の完成が望まれる。完成後は命の道として浜通りの復興の礎になる」と述べた。竹中社長は「無事にトンネルが貫通したことは大きな喜びだ。最後まで全力で工事に取り組み、高い品質の構造物を引き渡す」と力を込めた。

 平バイパスは81年に事業化され、95年に2車線で暫定的に供用が開始された。4車線化が完了すれば、いわき市内から常磐自動車道いわき中央インターチェンジへのアクセス性が高まり、救急医療施設への速達性も向上する。

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