2016年2月8日月曜日

【回転窓】ハチドリの声を集めよう

「そんなことをして何になるの」。火事になった森から逃げる動物たちに笑われながらも、小さなくちばしいっぱいに水を蓄えたハチドリがせっせと火を消しに掛かる。「私は、私にできることをしているだけ」と▼1羽が運べる水は多くないが、たくさんのハチドリの滴は豪雨にもなる。小さな力や善意の集合が大きな効果を発揮するという南米エクアドルの逸話である。環境関連のNGOに協力する辻信一さんの著書『ハチドリのひとしずく いま、私にできること』(光文社刊)から引いた▼作業所の統一土曜閉所運動が着実に浸透してきた。主導する日本建設産業職員労働組合協議会によると、15年11月に行った運動での閉所率は、11月としては過去最高を更新したという▼ただ4割の作業所は依然として閉所できておらず、繁忙な現場では「休みたい」とはなかなか口にできない状況が続く。それでも休日の増加を訴える声は確実に広がりつつある▼大勢の小さな声が作業所の枠を越えて大きなうねりになってほしい。隣の現場や発注機関の声とも共鳴し、休日に対する理解がさらに進むことを期待したい。

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