2016年2月22日月曜日

【回転窓】人が支える仕事に評価を

96歳になる祖母を1カ月間、介護付き有料老人ホームに預けることになった。1カ月ほど前にも1週間だけお世話になったホームだったので、祖母はスタッフや施設の様子をよく分かっており「ここはいいよ」とにっこり▼20代女性の生活相談員が前回に続いて担当し、丁寧に入居の説明をしてくれる。気心が知れているので当方も安心していたのだが、話を聞くと、今月末で退社するという▼介護産業は24時間356日のサービスが求められる。要介護度の高い高齢者も少なくない。「心身ともすり減らす仕事」と漏らした言葉が心に刺さった▼介護産業は建設産業と同じ「3K(きつい・汚い・危険)」の代表格とされる。若年層の入職・定着という課題も共通する。建設業界では「新3K(給料・休日・希望)」産業になろうという機運が高まっているが、「介護業界では…」と伺うのを思わずためらってしまった▼建設、介護とも「人」によって支えられている仕事。業務の効率化・合理化に向けた努力を続けながら、品質やサービスを向上させる。この価値をきちんと評価できる社会にしなくてはならない。

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