2016年3月10日木曜日

【若者は待遇重視】北海道建設部が建設業の人材確保アンケート

北海道建設部は建築系学科などで学ぶ学生や、建設業の若手社員、経営者を対象に実施した人材確保に関するアンケートの結果をまとめた。若手労働者を確保するために必要な施策では、経営者・若手社員ともに「給与・賞与等の賃金向上」との回答が最多で8割を超えた。学生が就職先を選ぶ上で重視する点でも、「給与・待遇が良い」が1位の「安定した会社」に次いで多く、若手人材の確保には賃金の向上が不可欠であることがあらためて浮き彫りとなった。

 アンケートは建設業の担い手不足対策を検討する上での参考とすることを目的に、道内の建設企業2315社、建設企業の30代までの若手社員839人、建設系学校・学科で学ぶ工業高校生、高等専門学校生、大学生らの生徒・学生2302人を対象に実施した。

 □人材不足の要因□

 建設業の人材不足の要因を経営者と若手社員に聞いたところ、いずれも「3K(きつい、汚い、危険)など業界のイメージが良くない」が5割以上で最も多かった。

 若手人材を確保するために重要だと考える施策では、いずれも「給与・賞与等の賃金向上」との回答が最も多く、経営者は84・3%、若手社員は86・6%に上った。2番目に多かったのは、経営者が「若手の資格取得などスキルアップ支援」(75・5%)、若手社員は「給与以外の福利厚生面の拡充」(80・7%)。

 □若手人材の確保策□

 実際に経営者が若手確保に向けて取り組んでいる施策では「資格取得の推奨・支援」(37・3%)が最も多く、2位が「給与・手当などの向上」(32・9%)。次いで多かったのは「特にない」(26・9%)で、4位の「社内行事の実施による社員間の親睦」(16・0%)を10ポイント以上上回った。

□建設業のイメージ□

 建設業のイメージに関する経営者と若手社員への問いでは、イメージが実態に当てはまる割合が多いと思う上位3項目は1位が「きつい仕事」、2位が「経験を積むには時間がかかる」、3位が「危険な仕事」で一致し、7割を超えた。3Kイメージの払拭には業界を挙げて取り組んでいるものの、実態がそれに追いついていない現状が明らかになった。

 また「女性が活躍しにくい」というイメージは若手社員の59・6%が「当てはまる」としているのに対し、経営者は64・0%で上回り、経営者の方が女性の活躍のしにくさを感じていることが分かった。

 □就職先選択の理由□

 若手社員が現在の会社を就職先として選んだ理由では「地元で働けるから」(37・9%)が最多。2位の「親・兄弟、知人の勧め」(23・0%)を大きく上回り、地元志向が表れた形となった。
 学生を対象とした質問では、7割が「建設業への就職を考えている」と回答。それに対する親など保護者からの反応の予想は「大いに賛成すると思う」が42・8%、「多分賛成すると思う」が36・6%となり、保護者からの賛成が8割近くは見込めることが分かった。就職先を選ぶ上で重視する点では1位の「安定した会社」が60・4%、2位の「給与・待遇が良い会社」が30・7%だった。

□インターンシップ□

 インターンシップ(就業体験)に関する質問では、過去5年間にインターンシップを実施した企業(263社)のうち39・2%が「インターンシップで来社した生徒・学生が実際に就職した」と回答。しかしインターンシップへの評価では「(効果があるのか)よく分からない」(37・1%)が最多で、2位が「自社の仕事を理解してもらえる」(36・1%)だった。

 一方、若手社員の回答では学生時代などに「インターンシップに参加した」のは13・3%。「インターンシップ自体は知っているが参加していない」が29・4%で、インターンシップの認知率は合計42・7%と半分に満たなかった。

 インターンシップ参加者(112人)が満足した点では「建設業の職場の雰囲気を感じられた」(53・6%)との回答が最も多かった。

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