2016年7月15日金曜日

【見て・聞いて・感じて】埋浚協、那覇市でうみの現場見学会開く

 日本埋立浚渫協会(埋浚協、清水琢三会長)が12日に那覇市で「うみの現場見学会」を開いた。琉球大学で土木工学を専攻する学生17人が参加。那覇空港に2本目の滑走路を造るための護岸築造工事の現場を見学した。

 埋浚協は、港湾整備の重要性や建設会社の役割を理解し、建設産業を身近に感じてもらうため、学生らを対象にした現場見学を毎年開いている。

 今回は、琉球大工学部環境建設工学科の土木コースに通う学生を招き、「那覇空港滑走路増設護岸N工区築造工事」(施工=若築建設・りんかい日産建設・大米建設JV)を見てもらった。

 見学会では、埋浚協の稲富路生企画広報委員長、烏田克彦九州支部長のあいさつに続き、内閣府沖縄総合事務局那覇港湾・空港整備事務所の與那覇健次副所長が新滑走路整備事業の概要を説明。烏田支部長は「(工事を通じて)国の重要な政策を担うことに誇りを持っている。建設業の仕事は3K、4Kなどと言われることもあるが、現場の最前線に立ち構造物が出来上がっていく時に抱く充実感は、実際に汗を流した人にしか味わえない」と仕事の醍醐味(だいごみ)を語った。

 学生たちは護岸工事が間近に見える場所で工程の説明を受けた後、高台に移動し新滑走路の全体像を視察。

 学生の一人は「工事現場を実際に見るのは2回目。スケールの大きさに驚いた。姉が建設関連の仕事をしているので、卒業後は同じように民間企業で働きたい」と話していた。

 引率した入部綱清助教は「学生が建設現場を見学できる機会は限られている。机上では理解できないことも多く、見学できる機会が増やせないか、産学官で考えていきたい」と述べた。


 那覇空港は旅客数、発着回数とも増加傾向にある。滑走路増設事業では、延長3000メートルの新滑走路を既存空港の沖合1・3キロの海上に整備し、年間発着回数を現在の13・5万回から18・5万回に増やす。

 沖縄総合事務局はこれまでに85件の工事を発注。護岸工事は全体延長約8・5キロのうち95%(約8・1キロ)が契約済みとなっている。

 空港島を造るために進行している護岸工事のうち、ケーソンは全60函の製作・仮置きを完了。6月13日時点で56函の据え付けを終えている。総事業費は1993億円、新滑走路の供用は2020年3月末を予定している。


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