2016年8月19日金曜日

【多機能化への第一歩】埼玉スタジアム、飲食店整備の検討開始

 2020年開催の東京五輪でサッカーの試合会場として使用される埼玉スタジアム(さいたま市緑区)の大規模改修プロジェクトで、ホスピタリティを高めるための検討が始まる。

 埼玉県は、7月19日に指名競争入札を開札した「埼玉スタジアム2002改修検討業務」の落札者を800万円で梓設計に決めた。

 スタジアムの4階部分にある活用されていないスペースを対象に、飲食店舗などの整備の可能性を検討する。履行期限は17年3月24日。

 大規模改修プロジェクトは昨年度に始動し、県は「コンコースほか改修工事設計業務」を宇田川太郎建築設計研究所、「外壁ほか改修工事設計業務」を井上建築工学設計事務所にそれぞれ委託した。別途発注の「電気設備改修工事」は島村電業が受注し、すでに作業を終えている。

 スタジアムは▽施設本体(RC造6階建て延べ6万0867㎡)▽クラブハウス(S造2階建て延べ782㎡)▽チームハウス(RC造平屋597㎡)▽入場ゲート(S造平屋90㎡)6棟▽総合案内所(RC造平屋191㎡)2棟▽トイレ兼倉庫(RC造平屋240㎡)―などで構成する。

 国内最大の球技専用スタジアムとして、サッカー日本代表やJリーグ・浦和レッズなどが使用。建設から10年以上が経過し老朽化が進みつつあることに加え、東京五輪での利用も決まったことから、県は空調設備修繕や外壁塗装、南広場常設テント設置など大規模改修や施設整備も行っている。

 スタジアムが立地する埼玉高速鉄道浦和美園駅周辺地区では昨年、区画整理事業で造成した320haの土地を有効活用しながら居住人口を増やすために、官民協働の「美園タウンマネジメント協会」が発足。数万人規模の集客が見込める埼玉スタジアム、見沼たんぼや綾瀬川といった豊かな自然を生かしながら、現在5600人程度にとどまっている人口を3万人以上に増やす取り組みも始まっている。

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