2016年9月5日月曜日

【回転窓】アイヌ文化に触れる機会を

北海道の釧路空港でアイヌ文化をアピールする展示が目に留まった。解説冊子の表紙には「イランカラプテ」とある。アイヌ語で「こんにちは」を意味する。「あなたの心にそっとふれさせていただきます」という北海道のおもてなしの合言葉にしようとのキャンペーンだ▼北海道にはアイヌ語が元になっている地名や言葉が多い。温泉で有名な登別は「濃い川」という意味の「ヌプルペッ」が語源。「ラッコ」や「トナカイ」もアイヌ語に由来するという。言葉や芸能、食事、衣服などアイヌの人々が自然と共に育んできた独自の文化に興味は尽きない▼アイヌ文化の情報発信は決して盛んとはいえなかった。そこで始まったのがこのキャンペーン。官学民連携の取り組みでアイヌ文化に触れるきっかけを提供している▼国はアイヌ文化の復興・伝承・発信の拠点となる博物館や公園などの整備を計画している。緑豊かな白老町のポロト湖畔に「民族共生の象徴空間」が2020年に誕生する予定だ▼日本は地域ごとにさまざまな文化がある。旅行者にそれを味わってもらうためにも魅力ある街づくりが大事になる。

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