2016年9月16日金曜日

【回転窓】海外で「質の高いインフラ」を思う

滞在中のタイ・バンコクの交通渋滞は世界的にも有名だ。夕刻のラッシュ時はもちろん、ひとたびスコールの大雨が降った後などはたちどころに渋滞が発生し、少しの移動にも多くの時間を割かれる▼それでも、1990年代の深刻な状況を知る人からすると、現状はかなり改善したとされる。その大きな理由の一つが鉄道網の整備。街中を走る地下鉄は、料金の高さから当初は利用者がいないのではと心配されたそうだが、市民の生活の足としてしっかりと根付いている▼滞在中に何度か利用し、その便利さを実感した。今も全線高架のプロジェクトが進行中で、この事業に関与する大手コンサルタント会社のトップの話を聞く機会があった▼工事は、分割された工区で中国勢と日本勢を競わせるように同時並行で進められている。「日本勢はイニシャルコストで劣るが、技術力に優れ、効率性が高く、長持ちする」。それが現場を見ても分かるそうだ▼海外プロジェクトでは日本の高コストがしばしば指摘される。安倍政権が掲げる「質の高いインフラ」は、実践の中で実感してもらうことが何より重要なようだ。

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