2016年12月6日火曜日

【記者手帖】記憶に残る万博を

先日、大阪府吹田市の万博記念公園にある「太陽の塔」の内部が10年ぶりに公開され、取材に出掛けた◆芸術家の故・岡本太郎氏がデザインを手掛け、内部にはアメーバなどの原生生物から恐竜、人類に至る生命の進化の過程を表現したオブジェ「生命の樹」が当時のままの姿で残されている。圧倒的な迫力の外観とは違う幻想的な風景に驚かされた◆もう一つ驚いたのは、見学の応募倍率が160倍もの高率だったこと。多くの人が来られなかったと思うと申し訳ない気持ちになった。わが家には、万博会場で撮った4歳の頃の色あせた写真が残っているが、太陽の塔の中に入ったかどうかは記憶にない。見学者から「当時のまま美しかった」と聞かされ、たくさんの人に強い印象を残したのだと実感した◆大阪府が2025年の万博誘致に名乗りを上げている。「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマに半年間で3000万人の来場を見込む。パリやトロントなどライバルは多いようだが、世界の人々に夢と感動を与え、いつまでも記憶として残る万博を目指してほしい。(わ)

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