2016年12月13日火曜日

【回転窓】放置した預金の行方

大学に入って東京で初めて一人暮らしを始めた時に作った銀行口座。カードの暗証番号は数十年を経た今も覚えている▼ただ当の銀行はその後の金融再編の荒波にのまれ、行名は跡形もない。口座は引き継がれていようが、最後の利用は薄れた記憶のかなたである。就職してからも付き合いで作って利用しなくなった口座がいくつかある。こうした放置預金のお金を集めて使えるようにする「休眠預金活用法」が先日成立した▼10年以上利用がなく、名義人と連絡も取れない口座の預金を集め、福祉など公益活動をする団体への助成などに充てる。休眠預金の大半は残高が1万円未満と少額だが、毎年1000億円程度発生し、法律が施行されれば、うち500億~600億円は活用可能というから驚く。ちりも積もればとはこのことだろう▼放置した数百円に未練はないし、福祉にお金が回るのは結構なことだが、何か少し釈然としないものもある。取りやすい所から金を取る。そんな感じを受けるからではないか▼これと前後して、本年度の税収減と赤字国債追加発行のニュースが流れた。取るべき所は他にありはしないか。

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