2016年12月20日火曜日

【記者手帖】reporterの原義忘れずに

先日、宮城県の県立高校の先生方に、建設業の市場動向や建設専門紙の役割について講演する機会を頂いた。教育のプロを前に話をするチャンスはめったにない。二つ返事で引き受け、当日は張り切り過ぎて持ち時間を超え、45分も話し続けてしまった◆まず建設業の概要や公共投資の推移を説明し、業界で担い手確保や生産性向上、震災復興後の受注獲得などが課題になっていることを話した。日本のメディアの問題点や、日々の取材活動で感じたことなども率直に投げ掛けた◆取材で聞いた話は惜しみなく記事にするよう心掛けている。記者は官庁や企業の幹部に会ったり、地域住民が入れない災害現場を見たりする特権を与えられている。記者は英語で「reporter」。直訳すれば「報告者」だ。時にあつれきを恐れず、読者の代わりに見聞きしたことを紙面で分かりやすく報告する義務がある。そんな話をした◆生徒に学科を教える教師と、読者に事実を伝える記者。聴講者らの反応を見て、立場こそ違え、仕事の方法論や哲学には共通する部分が多いと感じた。(平)

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