2017年8月10日木曜日

夏季休業のおしらせ

夏季休業のため、8月14日(月)~16日(水)付の新聞は臨時休刊とします。
また、オンラインサービスの会員受け付け、問い合わせは8月17日(木)から再開いたします。
ご了承ください。

【回転窓】家電売り場の浦島太郎

 先日、長らく愛用していたオーディオ機器のミニコンポがついに壊れた。新しいものを買いに家電量販店を回ってみたら、MD(ミニディスク)機能付きの商品がどこにもないことに驚かされた▼メーカー各社ともかなり前に生産を終了していたらしい。デジタル家電市場に疎いアナログ世代は、店内で浦島太郎状態に陥ってしまった▼オーディオ機器の搭載機能もレコード、カセットテープ、CD、MDと変遷し、今はメモリータイプが主流。パソコンやスマートフォンの普及も影響し、機器内に搭載したメモリーやメモリーカード、USBメモリーなどのメディアによって手軽に録音・再生ができる▼家電製品の規格争いではビデオデッキの「VHS対ベータ」が思い出される。最終的に勝利したVHSもその後、DVDやブルーレイに取って代わられ、さらにハードディスクなどに主役の座が移り変わる▼さまざまな規格の中から特定の規格の製品を大多数が使うことで確立される「デファクトスタンダード」。国内のものづくり産業が発展を続けていくためにも、日本独自の技術を世界標準とする国家戦略が求められる。

2017年8月9日水曜日

【武蔵野の森総合スポーツプラザ、11月開業】指定管理者候補者に東京スタジアムG

3月に竣工し、バリアフリー対応工事に入っている
武蔵野の森総合スポーツプラザ(提供:東京都)
 東京都は9日、調布市に新設した「武蔵野の森総合スポーツプラザ」の指定管理者候補者を、東京スタジアムグループに決定したと発表した。指定期間は17年11月1日~23年3月31日で、11月25日の開業を予定している。今後は9月都議会に契約議案を提出。承認されれば指定管理者として正式決定。同グループは東京スタジアム(東京都調布市、田崎輝夫社長)、京王設備サービス(東京都渋谷区、浅野義行社長)、シミズオクト(東京都新宿区、清水太郎社長)、東京ビジネスサービス(東京都新宿区、野島信明社長)、東京ドームスポーツ(東京都文京区、鈴木茂之社長)の5社で構成する。

 施設の建設地は調布市飛田給1の1の41ほか。SRC一部RC造地下1階地上4階建て延べ2万7603㎡のメインアリーナ棟、同地下1階地上3階建て延べ2万1517㎡のサブアリーナ・プール棟などで構成する。メインアリーナはフロア面積が約4800㎡で1万人以上が収容可能だ。多摩地域のスポーツ拠点として隣接する味の素スタジアムなどと機能する。

 設計は日本設計が担当。建築工事はメインアリーナ棟を竹中工務店・奥村組・株木建設・白石建設・東起業JVが、サブアリーナ・プール棟を鹿島・東急建設・TSUCHIYA・京急建設JVが施工。設備工事の担当はきんでん・日本リーテック・野里電気工業JVら。東京五輪で近代五種(フェンシング)とバドミントン、パラリンピックでは車いすバスケットボールが実施される予定だ。

 指定管理者の選定手続きには4者が参加。東京スタジアムグループは審査で150点満点中128点の評価を受けた。次点とは2点差だった。同プラザと隣接する味の素スタジアム、西競技場との一体的に運用・活用し、オリンピック・パラリンピックだけでなく、2019年開催のラグビーワールドカップ日本大会の円滑運営につなげる提案が評価された。

【どうなってるの!?、五輪施設整備】3回目はオリンピックアクアティクスセンターなど7会場

 「どうなってるの!?、五輪施設整備」シリーズの3回目は水泳競技などが行われるオリンピックアクアティクスセンターなど7会場を紹介。夢の島公園内に計画しているアーチェリー会場は現在設計に入っており現時点で公表可能な完成イメージがない。設計と並行して盛り土工事が近くスタートする見通しだ。
大井ホッケー競技場
メインスタンドの完成イメージ(16年6月時点、ⓒ東京都)
【所在地】  東京都品川区八潮4の1の19。東京都大田区東海1

 【開催競技】 ホッケー

 【施設動向】 大井ふ頭中央海浜公園に新しく整備される施設。ホッケー競技に加え、フットサルなどにも使える多目的グラウンドとして整備される。客席数1万席の常設のメーンピッチを新築するほか、仮設のサブピッチも整備する。メーンピッチは東京五輪後も都内有数の多目的人工芝競技場として、ホッケーその他の競技の拠点となる予定だ。基本設計および実施設計は梓設計が進めていて、「大井ホッケー競技場(仮称)(29)新築及び改修その他工事」が8月下旬に発注される見通しだ。工期は2019年6月まで。一時的に備え付ける仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は、パシフィックコンサルタンツが他の6会場と合わせて進めている。

海の森クロスカントリーコース
クロスカントリーコースの完成イメージ(環境影響評価書より)
【所在地】  東京都江東区青海3丁目地先

 【開催競技】 馬術(総合馬術、クロスカントリー)

 【施設動向】 東京都が東京湾の中央防波堤内側埋め立て地で造成を計画している「海の森公園」の敷地を暫定活用する。環境影響評価書によると、芝の競技コース(距離約6km、幅員約15m)や、ウオームアップエリア(面積約5300m2)などを配置する。「2017年度海の森クロスカントリーコース整備工事」が7月5日に入札公告され8月8日に開札、8月17日前後に結果が公表される予定だ。工期は2018年7月31日まで。コース整備の設計は東京ランドスケープが担当した。

海の森水上競技場
競技場の完成イメージ(16年5月時点、ⓒ東京都)
【所在地】  東京都江東区青海3丁目地先

 【開催競技】 カヌー(スプリント)、ボート

 【施設動向】 東京港中央防波堤内側及び外側埋立地間の水路に新しく整備される施設。延長約350mの締め切り堤などの港湾施設や、水門2基、揚排水施設各1カ所、S造2階建て延べ6000m2の競技関連棟2棟などを整備する。基本設計はパシフィックコンサルタンツが担当。実施設計と施工はデザインビルド(DB)方式で一括発注され、2016年1月に大成建設・東洋建設・水ing・日立造船異業種JVに決定した。工事は河川、建築、ポンプ据え付け、水門門扉の四つに分割。河川は大成建設・五洋建設・佐藤工業・岩田地崎建設JV、建築工事は東洋建設・大末建設JV、ポンプ据え付けは水ing、水門門扉は日立造船がそれぞれ担当する。小池百合子東京都知事の就任後、競技施設見直しも検討されたが、建設継続が決まった。工期は当初計画通り2019年3月28日まで。

カヌー・スラローム会場
カヌー・スラローム会場の完成イメージ(16年5月時点、ⓒ東京都)
【所在地】  東京都江戸川区臨海町6の1
 
 【開催競技】 カヌー(スラローム)
 
 【施設動向】 都立葛西臨海公園の隣接都有地に新しく整備される施設。水路に人工的に流れを作り出し、競技ができる国内初のカヌー・スラロームコースとする。基本設計および実施設計はパシフィックコンサルタンツが担当。「カヌー・スラローム会場整備工事」は鴻池組・西武建設・坪井工業JVに決まった。カヌー・スラローム会場の土木関係工事のうち、競技コース(延長200m)やウオーミングアップコース(同180m)、スタート・フィニッシュプール、ポンプ施設、雨水・汚水本管、敷地内通路などを整備する。東京五輪閉幕後は、周辺の公園や水域と一体となったレジャー・レクリエーション施設として活用される予定。

アーチェリー会場(夢の島公園)

 【所在地】  東京都江東区夢の島2丁目地内

 【開催競技】 アーチェリー

 【施設動向】 夢の島公園に新しく整備される施設。恒設の予選会場と仮設の決勝会場で構成する。軟弱地盤対策として、予選会場の盛り土工事(養生含む)を今夏から2019年度にかけて行う。また、予選会場の基本・実施設計は一式で景デザイン研究所が担当している。履行期間は2018年3月15日まで。


オリンピックアクアティクスセンター
アクアティクスセンターの完成イメージ(15年10月時点、ⓒ東京都)
 【所在地】  東京都江東区辰巳2の1の35

 【開催競技】 水泳(競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミング)

プールの完成イメージ(15年月時点、ⓒ東京都)
 【施設動向】 都立辰巳の森海浜公園に新しく整備される施設。当初計画では、大会後に5000人規模への縮小を想定した上で、2万人の観客が観戦できるようにするはずだった。施設規模はS一部SRC・RC造5階建て延べ約7万7000m2。小池百合子東京都知事の就任後、競技施設見直しが検討され、観客席は2万人から1.5万人に減らすことに。施設の階数なども変更される見通しだ。

 基本設計は山下設計が担当。実施設計と施工がDBで一括発注され、2016年1月に大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業異業種JVに決定した。工事は建築、電気、給排水衛生、空調の四つに分割。建築は大林組・鉄建・西武建設・TSUCHIYAJV、電気は東光電気工事・栗原工業・新生テクノスJV、給排水衛生はエルゴテック・櫻井工業・池田煖房工業JV、空調は東洋熱工業・大成温調JVがそれぞれ担当する。


東京辰巳国際水泳場
水泳場の外観(ⓒtokyo2020)
 【所在地】  東京都江東区辰巳2の8の10

 【開催競技】 水泳(水球)


 【施設動向】 1993年に開業し、水泳の全国規模の大会などに使われている既存施設を改修する。規模はS・SRC造地下2階地上3階建て延べ2万2319m2で、約5000席の観客席を有している。改修に向けた基本設計は環境デザイン研究所が担当した。履行期限は2017年3月23日。一時的に備え付ける仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は他の4施設と併せて日総建が行っている。

【ものづくりの楽しさ、知ってもらえたかな?】福岡と奈良でけんせつ小町現場見学会

 日本建設業連合会(日建連)が主催する「けんせつ小町活躍現場見学会」が福岡市と奈良市で開かれた。3日の「(仮称)桜坂3丁目計画新築工事」(福岡市中央区、施工=三井住友建設)には10家族33人が参加。7日の「新奈良県総合医療センター新築工事」(奈良市、施工=奥村組・村本建設・山上組JV)は女子小中学生と保護者36人が参加した。

 ◇子どもたちが配筋や測量に挑戦◇

 福岡市の現場見学で、日建連の北井久美子けんせつ小町部会長は「普段学校ではできない体験をし、いい思い出を作って将来の就職先として建設業を目指してもらえれば」とあいさつ。同社の城島和貴子さんから鉄筋コンクリートの仕組みや作業工程などの説明を受けた後、現場を見学した。

 参加者は躯体工事が最盛期を迎えている建物の内外を見て回り、鉄筋の配筋作業や型枠のくぎ打ち、測量などを体験したほか、大型クレーンにも試乗した。

 福岡県うきは市から参加した小学6年生の女子児童の母親は「ものづくりが好きな子どもの将来を考え、お仕事体験として参加した。工事現場は危険と思っていたが、女性でも活躍できる仕事があると分かった」と話し、小学1年生の妹と母親と参加した福岡市内の小学3年生の女子児童は「ドキドキした。ハイウオッシャー(高圧洗浄機)を使ったり、鉄筋を組み立てるのが楽しかった」と満足そうな笑顔を見せた。

 見学後、同社の則久芳行会長は「夏休みの宿題や自由研究、絵日記にきょうの体験を生かし、学校の友達にも楽しかったこと、けんせつ小町が頑張っていることを伝えて」と呼び掛けた。

 同現場で働く進由貴子さんは「建設現場が意外ときれいで女性でも普通に働けることを伝えていければ」と話し、藤田裕二作業所長は進さんの仕事ぶりについて「チェックやきめ細かな作業もきっちりとこなしてくれる」と信頼を寄せていた。

 同工事は三菱地所レジデンスが計画する322戸、4棟総延べ3万5099平方メートルの大型マンション新築工事。工期は18年10月末。

 ◇免震構造の役割、子どもたちに紹介◇

 奥村組JVが奈良市内で施工する建築工事の見学会。木村真也作業所長(奥村組)が建築概要などを説明した後、現場で働くけんせつ小町の伊庭花子さん、坂下由佳さん、亀山佑美さん、岩井涼子さん、喜多万奈巳さんの5人が現場を案内した。

 参加者は地下階に設置された免震装置や、建設が進む病棟、外来診療棟などを見て回った。ブリヂストンの協力を得て免震体験車にも乗車。兵庫県南部地震など過去の地震波データを基に再現した地震の揺れと、免震装置を設けた場合の揺れの違いを体験し、免震の役割など学んだ。

 見学会終了後、子どもたちからけんせつ小町に「建設業で働きたいと思ったきっかけは何ですか」「現場でつらかったこと、楽しかったことは何ですか」など多くの質問が出された。

 現場で働く伊庭さんは「建築現場には多くの職種がある。つらいことも多いが、女性でも活躍できる場がたくさんあることを分かってもらえるとうれしい」と話していた。

 新奈良県総合医療センターは、教育研修棟・外来中央診療棟・病棟で構成する本館棟が地下1階地上7階建て、エネルギーセンター棟が地下1階地上1階建てで、総延べ床面積は約6万7500平方メートル(540床)。12月の完成、18年春の開院を予定している。

【大規模改修へ準備進む】五輪関連施設3件の実施設計、日本設計らに

東京都調布市にある東京スタジアム
東京都は、「東京スタジアム(29)改修工事実施設計」を9100万円で日本設計、「東京辰巳国際水泳場(29)改修工事実施設計」を2850万円で環境デザイン研究所、「東京体育館(29)改修工事実施設計」を1億2425万9000円で槇総合計画事務所にそれぞれ委託した。各社は基本設計の受託者で、設計内容に一貫性を持たせるため実施設計も引き続き任せることにした。

東京・千駄ヶ谷にある東京体育館
2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会や20年東京五輪の開催に備え、各施設を改修する。

東京・江東区にある東京辰巳国際水泳場(ⓒ tokyo2020itakusaki )
現施設の規模は、ラグビーW杯と五輪で使用する「東京スタジアム(味の素スタジアム)」(調布市西町)がS・RC一部SRC造地下1階地上5階建て延べ8万6142平方メートル、五輪の水球競技が開かれる「東京辰巳国際水泳場」(江東区辰巳)がS・SRC造地下2階地上3階建て延べ2万2319平方メートル、五輪の卓球を行う「東京体育館」(渋谷区千駄ケ谷)がS・SRC造地下2階地上3階建て延べ4万3971平方メートル。

 実施設計の履行期限はいずれも18年3月23日に設定されている。

【人気シリーズで活躍】CAT新型ショベルが映画「トランスフォーマー」に登場!!

 キャタピラーが今秋に発売する油圧ショベルの新製品が、4日に封切られたマイケル・ベイ監督のロボット映画「トランスフォーマー 最後の騎士王」に登場している。

 正義と悪のロボット生命体が抗争を展開するトランスフォーマーシリーズの5作目。新作では、同社の新型油圧ショベルがオートボットに姿を変え、悪を懲らしめるヒーローロボットチームの一員としてスクリーンを駆け巡る。

 作中、同社の油圧ショベルが姿を変えたオートボットは、主人公が困難に立ち向かうのを助けるパートナーの役割を果たす。

 キャタピラーは作品への出演を決めた理由を、映画のコンセプトが、顧客とのパートナーシップを重視する自社の考え方と一致しているためと説明している。

 同社は映画の公開に合わせ、既存のウェブサイト「建機プロ」に特設ページを設け、映画の壁紙や動画をダウンロードできるようにした。

【戸田建設の病院建築現場に】石井国交相、けんせつ小町見学会を初視察

 石井啓一国土交通相が8日、日本建設業連合会(日建連)が毎年の夏休み期間に女子小中学生と保護者を対象に行っている「けんせつ小町活躍現場見学会」を初めて視察した。

 現場は東京都港区で戸田建設が施工している「虎の門病院整備事業」。石井国交相は、参加した女子小中学生12人に積極的に話し掛け、実際に現場を見た感想を聞いたり、建設業の魅力をPR。

 石井国交相は、女性技術者のサポートを受けながら型枠の取り付けや鉄筋の組み立てを体験する小中学生の様子を見学。女性技術者とも意見交換した。視察後、「女性に生き生きと活躍してもらうことが、いろいろな方に建設業に入っていただく魅力的な産業につながる」と強調した。

【回転窓】大学入試制度改革を控えて

おそらく受験生であろう。近くの図書館に行くと、閲覧席で勉強する多くの中学生らの姿があった。インターネット全盛の時代となっても、この時期に図書館で見られる光景は以前と変わらないようだ▼現在の中学3年生は、2020年度の大学入試制度改革に伴う「大学入学共通テスト(仮称)」を受ける1期生。国語と数学で新たに導入されるのが記述式問題だ。大学入試センターが5月、モデル問題例を公表した▼国語では「駐車場使用契約書」を読み、借主が不利益にならないための方策を記述する問題などが例示されている。論理が明確で実社会と関わりが深い契約書の文章を題材とし、的確に読み取る力と目的に応じた表現力を問うのだという▼「経済界の意向を色濃く反映した入試制度改革が設問にも現れている」。教育関係者からそんな声も聞かれる▼冒頭に「以前と変わらない」と書いたが、最近は学生が勉強するのを禁止する図書館も少なくないのだとか。マナーが悪ければ諭し、必要があれば利用できる制限時間を決めればいい。問題を読み解く力と解決策の表現力を問われるのは、受験生だけではない。

【提携紙ピックアップ】建設経済新聞(韓)/ミキサー車需給調節の後遺症

松島、ペゴツ新都市など仁川市南東部一帯の建設現場がミキサートラックの運行縮減闘争に苦しんでいる。

 関連業界によれば、国土交通部が7月21日に営業用ミキサートラックの新規登録制限を2019年7月末まで延長することに決定した直後の24日から、一帯でトラック運転者が運行縮減闘争を展開している。

 現在は1回当たり4万ウォンの運搬費を4万5000ウォンに12.5%引き上げよというのが主な要求。ペゴツ新都市のマンション建設工事現場と松島一帯の建設現場は非常事態に陥った。

 1日7~8回あったレミコンのミキサートラックの運行回数が4回に減ったためでで、運転者たちが運送回数を2回にまで減らすという通報をしており、戦々恐々としている。

 仁川市の松島とペゴツ新都市に現場を抱えているのは、ポスコ建設、大林建設、GS建設、ホバン建設、漢羅。ユジン企業、三票産業、長院レミコン、トゥリムレミコンの工場でレミコンを注文している。これら地域のミキサートラックの運転者たちは、8・5制勤務闘争(午前8時から午後5時まで勤務)中の全国レミコン運送総連合会とは別個に活動しながら、7・6制(午前7時から午後6時まで勤務)に固執している。

 相対的に、レミコン需給が円滑だっただけに、受けた衝撃はその分だけ大きい。建設会社の関係者は「一日4回に減った昨日までは、何とかやりくりしてしのいでいたが、2回にまで減らされれば、骨組み工事を止めなければならなくなる」とし、「レミコン会社に対し、他の地域のミキサートラックも動員して解決してくれるよう依頼したが、『交渉中』とだけ言われた」と訴えた。

CNEWS 7月28日)

【提携紙ピックアップ】セイ・ズン(越)/ホーチミン市に雨水貯留施設整備

 日本の技術を使った雨水貯留施設の建設が、ホーチミン市トゥードゥック区のヴォー・ヴァン・ガン通りで始まった。積水化学工業グループの「クロスウェーブ」と呼ばれる雨水貯留システムを道路の地下に設置する工事で、8月5日に完成する。ベトナムの市街地では大雨の際の浸水が大きな問題となっており、短期間で工事が完了する同技術の普及に期待がかかっている。

 クロスウェーブは公園や学校、駐車場、空港などさまざまな場所に設置可能。再利用可能なプラスチック製のモジュールを使用している。設置後は埋め戻して地上空間を利用でき、ヴォー・ヴァン・ガン通りの貯留池は、25tまでの車両が走行できる。たまった水は植栽の水やりに使われる。

セイ・ズン 8月4日)

【凜】太平洋セメント関東支店技術部・中山莉沙さん


 ◇顧客の期待にしっかり応えたい◇

 大学時代は土木学科で水質や土質、構造の基礎を学ぶとともに、競泳や水球などのスポーツにも力を入れてきた。

 就職活動を始めた当初は、幅広い分野から就職先を探していたが、「太平洋セメントの説明会に参加した際、これまで学んできた土木の知識をこの会社で役立て成長していきたいとの思いが強まった」という。

 2014年に入社。最初の2年間は千葉県佐倉市にある中央研究所に勤務し、高強度コンクリートの研究などに従事。その後、関東支店(群馬県高崎市)の技術部に異動した。

 技術部では「当社のセメントを使っているお客さま(生コン会社や製品メーカーなど)の技術的な相談に乗っている。ほかにも講習会を開催し、お客さまの技術向上に役立ててもらっている」と話す。

 顧客が抱える問題はさまざまで、それぞれのニーズに合った専門知識が必要とされる。「相談や問い合わせに対応し、お客さまから感謝の言葉をもらえた時に一番やりがいを感じる。しっかりと期待に応えられるよう全力を尽くしていきたい」と笑顔で話す。

 「将来は、自分自身の技術力と知識を高め、多くのお客さまへ最適な提案を行えるようにすること。その上で中央研究所に戻り、お客さまが抱える問題の解決を図る研究に携わりたい」と夢を描く。

 (なかやま・りさ)

【中堅世代】それぞれの建設業・175

大規模現場では多くの作業員が仕事をする。
どうまとめるか、所長の力量が試される
 ◇「公明正大、公平」心に刻み込む◇

 東京の都心部で進む高層ビルの建設現場で所長を務める栗洋介さん(仮名)。大手ゼネコンに入社してから20年余り、一貫して建築畑を歩み、現場で施工管理に汗を流す毎日だ。

 現場では、ゼネコンと協力会社の強い信頼関係と結び付きが高い品質の建物を安全に造ることにつながるが、栗さんには思わぬ失敗を引き起こした苦い経験がある。入社10年目、初めて所長を務めた都内の中層オフィスビルの現場だった。

 働きやすい職場環境をつくろうと、「終業後に現場の改善点や問題点を聞くため、協力会社の社長や職長を誘って食事に出掛けたのが始まりだった」と振り返る。いつものように現場に出て、作業員に話し掛けるのだが、反応が芳しくない。最初は「猛暑日が続いた影響か」「仕事に集中している時に話し掛けてしまったせいか」とあまり気に掛けていなかった。事態が深刻だと感じたのは、作業中の職長を注意し、会話を拒絶された時だった。

 「何が起きているのか」。まったく分からず途方に暮れる中、ようやく会話に応じた作業員の1人が、「食事に行った企業の作業員をひいきにしている」とぽつりと漏らした。「安全で快適な職場をつくろうとしていただけだったが、そんな見方をされるのかと衝撃を受けた」。誤解を解こうと努力したが、状況は一向に改善しないまま工事は終わった。

 「プロの集団だから、彼らが仕事で妥協することは絶対にない。それだけが唯一の救いだった。事故もなく、納期にも間に合ったが、もし何かあったらどうなったか。思い出すたびに今でも冷や汗が出る」。「男の嫉妬は怖い」と思い知ったこの経験から、現場の協力会社の関係者と外で食事をするのはその後一切やめた。

 ただ、品質や安全をより高め、工程上の工夫などを取り入れていくには、どうしても皆との打ち解けた会話が必要になる。まずは時間が空く限り現場内を回り始めたが、周辺地域や施主、本社との調整など多忙の中でおのずと限界が来た。現場事務所で職長級以上を集めた定期的な食事会を企画したが、「話を振れば会話はするのだが、どうも本音を出していない」と感じた。

 次に考えたのは、作業終了後に事務所内で行う定期懇親会。酒を出し、皆で飲みながら話す。「酒の勢いもあるから、安全面での独自の工夫の披露、施工上で不安視される問題の改善策についての議論、廃棄物の効率的な収集方法や若手の育成方法など、いろんな提案がよく出てきた」。

 所長を務める現場は現在が四つ目。今は定期的な職長級の食事会と作業後の職長級懇親会、若手を含む不定期の懇親会を開いている。若手が入る懇親会は「ベテランの視点とは異なり、気付きを与えられる貴重な意見も多い」。ベテラン、若手に限らず、できること、良いものはすぐ実行に移す。

 「現場運営は公明正大、公平で、適度な距離感を保つ」。そう心に刻みつつ、きょうも現場に向かう。

【サークル】日本電設工業 野球部


 ◇東電協大会で3年連続準優勝、来年こそ!◇

 東京電業協会(東電協)が主催する野球大会へ出場するため、約40年前に発足した。現在は、会社公認の部活動として、いくつかの大会へ出場しているほか、練習に熱を入れる。現在のメンバーは約20人。技術職や事務職、営業職などさまざまな部署から精鋭が集う。

 「全力疾走・元気・礼儀」がチームのモットー。5月の大型連休中に開かれる東電協の大会は、毎年30チーム以上が参加する大きな大会だが、3年連続で準優勝するほどの強豪チームだ。ほかにもいくつかの大会に参加し、熱戦を繰り広げている。

 チームの代表を務めるのは吉際大輔さん(営業統括本部営業第2部主事)。「18年度も東電協の大会に出場する予定だ。来年こそは絶対に優勝したい。そのためにも練習に力を入れていく」と情熱を燃やす。

 吉際さんは「最近はユニフォームを新調するなど、会社を挙げてチームをバックアップしてくれる。それにより選手全員が力を発揮しやすい環境で野球が楽しめている。今後は、さらに定期的な活動を目指しており、練習試合を少しでも多く重ねていきたい」と力を込める。

【駆け出しのころ】加賀田組取締役専務執行役員新潟支店長・西村強氏

 ◇時代に合うやり方を考える◇

 20歳ぐらいの頃までは体が細く、小学校や中学校の先生からは「この子は体を使う仕事は無理だ」と言われてきました。両親も将来は事務系の仕事に就いてほしいと思っていたようです。でも橋などの構造物を自分で造ってみたいと考えるようになり、技術系の学校に進学しました。

 入社して初めて配属された現場は上越新幹線の橋梁工事です。実は入社する1年前、ここに隣接する他社施工の工事現場でアルバイトをしていたため、加賀田組の事務所があるのを知っていました。偶然とはいえ、会社に入って初めての担当がこの現場になるとは不思議な縁を感じました。

 若い頃は、現場で分からないことは職人さんに何でも聞くようにしていました。入社2年目に浄水場の工事を担当した時はこんなこともありました。大工の棟梁に「墨を出してくれ」と言われたのですが、私は機械設備と一緒になった図面がまったく分かりませんでした。恥を忍んで「これはどういう形になるのですか」と聞くと、棟梁は「お前はバカか」と言いながらも、その場で立体的に分かるよう紙で模型を作ってくれたのです。涙が出るほどうれしく、今でも忘れることはありません。

 30代半ばの頃、河川に架かる橋梁の工事を担当した時のことです。工期は十分にあると考えていたのですが、受注した後で、川をサケが遡上(そじょう)する数カ月間は工事ができないと知り、これには焦りました。急いでいろいろと検討した結果、「これなら間に合う」という施工方法を提案し、まさに昼夜の超突貫工事で工期内に間に合わせたことがあります。私も当時はまだ若く、「できないことはない」といった勢いで仕事に取り組んでいたのだと思います。

 私たちが現場を担当していた頃は、職員が自ら仮設材の設計なども行っていました。今は人手不足の時代となり、測量なども外注するのはいいのですが、その成果をチェックできることが前提になくてはいけません。例えば過剰なところがあれば修正し、コストを下げることで、協力会社の利益向上にもつなげられます。

 それに、自分で計算して図面に描いたことは、何か変更が生じた際にもしっかりと説明できます。社内では今、作業環境や働き方の改善を進めながら、そうした技術的な面については以前のやり方を参考に他の方法はないかと話しています。難しいことではありますが、私たちの会社が差別化を図っていくためには実現していかなくてはいけない課題です。

 造ったものが残る。この感動を得られるのが建設業であり、技術者の冥利はそれに尽きます。若い人たちもこの喜びをぜひ味わっていってほしいと思います。

 (にしむら・つよし)1974年新潟県立加茂農林高校農業土木科卒、加賀田組入社。上・中越地区担当工事長、新潟地区担当工事長、取締役執行役員建設本部副本部長、取締役常務執行役員新潟支店長などを経て、2011年現職。新潟県出身、62歳。
最後に所長を務めた現場での打ち合わせ(奥側中央が本人)

2017年8月8日火曜日

【回転窓】敗者を思いやる

 このところ、テレビでスポーツの試合を見ていて気になることがある。勝ったり点を入れたりした時の選手の喜び方、その感情表現の仕方が尋常でないことである▼得点を奪った、ホームランを打ったとなれば派手なガッツポーズに雄たけび。優勝すると全員が人さし指を天に突き上げて小躍り。一昔前まではあまり見なかった光景ではないか。今、勝っても負けても無表情は大相撲ぐらいだろうか▼王貞治さんが早実時代、ホームランを放ってグラウンドで小躍りして喜んでいるのを、兄の鉄城さんが「打たれた相手のことも考えろ」と厳しくたしなめたという話はよく知られる。王さんに限らず、かつては力のある選手ほど勝っても謙虚、喜び方も控えめではなかったかと記憶するがどうだろう▼勝負の世界は非情。優勝者以外は全員が敗者になる。だからこそ、負けた相手の気持ちを思いやる配慮が求められる。プロもアマもそこに違いはない▼夏の甲子園が始まる。各地の厳しい予選を勝ち抜いたエリート選手が集まる。日本学生野球憲章には、学生野球は「教育活動の一環」と書いてある。指導者の姿勢も問われよう。

【回転窓】再会を楽しみに

 女の人でもこんなに大きなものを造れるんだ-。日本建設業連合会が主催する夏休み特別企画「けんせつ小町活躍現場見学会」に参加した小学生の女の子が目を輝かせながら話した。普段は見られない仮囲いの中の世界に興味津々のよう▼この見学会も今夏で3年目。初年度は現場のさまざまな場面を案内し、型枠や鉄筋の組み立て、測量・墨出し、資材揚重など多くの体験をしてもらう盛りだくさんの印象を受けたが、本年度は見どころを絞り、普段体験できない貴重な時間を過ごしてもらうことを大事にしていると感じた▼子どもの目線やスケール感を大切にしながら伝えるなど経験を重ねたからこその工夫やアイデアが随所に。熱中症対策の徹底や保健師の同行など運営面の改善も図られていた▼けんせつ小町の多くが、小さい頃に建設の仕事に触れるような経験を持っており、それが入職の動機になっている。見学会に参加した子どもたちにとって、小町が将来への選択肢を増やす存在になっているに違いない▼あの夏の見学会が建設業を目指すきっかけになりました-。そんな小町と再会できる日を楽しみに待ちたい。

2017年8月4日金曜日

【どうなってるの!?、五輪施設整備】2回目は有明アリーナなど7会場

2020年7月24日に開催式を迎える東京オリンピック。33競技の会場整備は今どうなっているのか。今回はバレーボールが行われる新設の有明アリーナなど7会場の状況をリポートする。
有明アリーナ
完成イメージ(2015年10月時点、ⓒ 東京都)
 【所在地】  東京都江東区有明1の9

 【開催競技】 バレーボール(インドア)

 【施設動向】 有明北地区に新しく整備されるアリーナ。施設規模はRC一部S・SRC造5階建て延べ約4万5600㎡。1万5000席の観客席を持つメインアリーナや、サブアリーナ、ジム・スタジオ、カフェ・レストランなどで構成される。基本設計は2015年1月に久米設計に決定。基本設計には建築設計のほか機械設備、電気設備一式の設計も含まれていた。

 実施設計と施工はDB(設計・施工一括)方式で発注され、2016年1月に竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業異業種JVに決まった。実際の工事は建築、電気、給排水衛生、空調の四つに分けて施工する。建築は竹中工務店・鉄建・福田組・株木建設・京王建設JV、電気は東光電気工事・トーエネック・栗原工業JV、給排水衛生は朝日工業社・大橋エアシステムJV、空調は高砂熱学工業・東洋熱工業JVが担当する。

 東京都知事に小池百合子氏が就任後、競技施設の見直しも検討されたが、建設継続が決まった。施設の管理・運営にはコンセッション(公共施設等運営権)方式が検討されていて、アドバイザリー業務をみずほ総合研究所が担当している。
有明体操競技場
外観完成イメージ(2016年3月時点、ⓒ TOKYO2020)
アリーナ完成イメージ(2016年5月時点、ⓒ TOKYO2020)
 【所在地】  東京都江東区有明1の7の4

 【開催競技】 体操

 【施設動向】 有明北地区に新設される体操競技施設。基本設計を日建設計に委託し、2015年6月に契約を結んだ。施設は1万2000席の観客席を持つ高さ29mの有明体操競技場(S一部W造3階建て延べ3万6800㎡)と、隣接する高さ15mのウォームアップ棟(S造平屋4000㎡)で構成。基本設計の履行期限は2016年1月29日だった。

 実施設計と施工は2016年11月に一括発注され、清水建設が担当することに。五輪終了後は展示場として約10年間利用され、その後は解体される見通しだ。
有明BMXコース
 【所在地】  東京都江東区有明(有明北地区)

 【開催競技】 自転車競技(BMX)

 【施設動向】 選手村やメディアセンターからも近いウォーターフロントエリアの有明北地区に仮設で整備される。約5000席の観客席が設けられる予定。仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は久米設計・東畑建築事務所・石本建築事務所JVが他の8会場と合わせて進めている。詳細設計と設置工事は一括で別途発注される見通しだ。
有明テニスの森
改修後の完成イメージ(2016年5月時点、ⓒ 東京都)
 【所在地】  東京都江東区有明2の2の22
 
 【開催競技】 テニス

 【施設動向】 屋外48面のテニスコートとセンターコート「有明コロシアム」で構成される。有明コロシアムは、スライド式開閉屋根を備えた1万人収容の多目的スタジアム。東京五輪に向け、屋内外のテニスコートやクラブハウスの再整備に加え、有明コロシアムの改修工事も行う。

 基本設計および実施設計は環境デザイン研究所が担当。①有明テニスの森公園及び有明コロシアム(29)改築及び改修その他工事②同改築及び改修その他電気設備工事③同改築及び改修その他空調設備工事④同改築及び改修その他給水衛生設備工事⑤有明テニスの森公園(29)施設改修その他工事-の5件が東京都から入札公告された。
五輪開催時の施設配置図(実施段階環境影響評価書案より)

 7月28日の開札では空調設備工事を大成設備・川崎設備工業・エバジツJV(落札額18億3392万5000円)、給水衛生設備工事を菱機工業・アペックエンジニアリング・島村工業JV(12億2000万円)、公園施設改修工事をエムテック・塚本建設JV(15億5500万円)がそれぞれ落札。改築改修工事と電気設備工事は低入札調査基準額を下回る応札があり、8月4日時点で落札決定が保留されている。

 改修工事の内容は、クラブハウス・インドアコートの建て替え、有明コロシアムの改修、別棟およびデッキ棟の新築、既存管理棟解体など。五輪開催に合わせて新設するショーコートは3000席の観客席を備えたRC・S造延べ約6040㎡の規模。クラブハウスを備えたインドアコートは既存のクラブハウスがある場所に仮設で整備する。規模はS・W造2階建て延べ約1万0330㎡。
現在の有明テニスの森(ⓒ TOKYO2020)
お台場海浜公園

 【所在地】  東京都港区台場1
 
 【開催競技】 水泳(10km)、トライアスロン

 【施設動向】 仮設施設として計画されている。仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は5月26日に開札され、パシフィックコンサルタンツが他の6会場と合わせて進めている。履行期間は9カ月間。詳細設計と設置工事は一括で別途発注される見通しだ。
潮風公園
公園内にビーチバレーの会場が整備される(ⓒ TOKYO2020)
 【所在地】  東京都品川区東八潮1

 【開催競技】 ビーチバレー

 【施設動向】 仮設施設として計画されている。仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は5月26日に開札され、パシフィックコンサルタンツが他の6会場と合わせて進めている。履行期間は9カ月間。詳細設計と設置工事は一括で別途発注される見通しだ。
青海アーバンスポーツ会場
スケートボード、スポーツクライミングの会場整備予定地(ⓒ TOKYO2020)
 【所在地】  東京都江東区(お台場地区)

 【開催競技】 スケートボード、スポーツクライミング
 
 【施設動向】 仮設施設として計画されている。仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)の基本設計は5月26日に開札され、パシフィックコンサルタンツが他の6会場と合わせて進めている。履行期間は6カ月間。詳細設計と設置工事は一括で別途発注される見通しだ。

1回目はこちらから

【ERI学生デザインコンペ審査員インタビュー・4】木下庸子氏(建築家、工学院大学教授)に聞く「コンペの特徴と応募作品への期待」

 ERIホールディングスが主催する設計競技「ERI学生デザインコンペ」。2017年度は「RULE(ルール)/SPACE(スペース)/HARMONIZE(ハーモナイズ)」をテーマに全国の学生から作品を募ります。コンペの選考委員に聞くリレーインタビューの最終4回目は、建築家で工学院大学教授の木下庸子氏です。

 ――昨年の審査の印象は。


 「昨年のテーマ、『ルール、スペース、シェアラブル』のうち、シェアラブルの解釈に各作品の特徴が出ていて、興味深く見ました。一方、ルールとスペースというキーワードは比較的何にでもあてはまるせいか、特段触れられていなかったものもあったのは残念でした。ルールとスペースにもいろんな攻め方があると思うので、今年の学生さんには去年とは違った提案を期待しています」

 ――今年のテーマは『ルール、スペース、ハーモナイズ』に決まりました。

 「一般的にハーモナイズは統一、調和などと訳されますが、そもそも統一性とは何か、どういう時に必要か、あるいは本当に必要なのかといった問いが立てられます。世界にハーモニーが感じられない今だからこそ、ハーモナイズという言葉を念頭に置きながら何を提案できるか、そのあたりから攻めていくとおもしろいのではないでしょうか」

 「私の設計事務所・ADHのHはハーモニクスを表しています。複数の建築家が集まって事務所を設立した時に決めた名前ですが、音楽で和音が一つの音以上のものを奏でることができるのと同様に、建築でも一人ではできないまでも、複数でこそ可能となるものつくりを目指したいという思いを込めました。ハーモニーは、建築の空間でも、建築のつくり方でも、あるいは居住のあり方にでも見つけられる概念です。色んなシチュエーションで相乗効果を生むハーモニーは重要なコンセプトだと考えています」

 ――学生にはコンペへの挑戦で何を学んでほしいですか。

 「チームワークを磨くという側面もあると思います。20世紀の建築は比較的個人の力で勝負する面もありましたが、まちづくりが建築家の職能として意味を持つようになったように、現代の建築は一人で作品をつくりあげるだけではない方向に動いています。チームだからこそ生まれる発想に期待しています。私が学生だったころは今ほどコンペの数も多くなく、学生向けのコンペもありませんでした。今の学生にはたくさんチャンスがあります。大いに利用してほしいと思います」

 ――数多くある学生コンペの中でも、ERI学生デザインコンペの特徴は何だと思われますか。

 「ルールというテーマは、民間の審査機関であるERIらしい言葉だと思います。建築がルールに沿っているかどうかを確認することを仕事にしていながらも、コンペの主催者が期待しているのはその固定概念を破ることも含むのではないでしょうか。ルールを鵜呑みにするわけではなく、その行間を読みながら新しいチャレンジをするというスタンスも大切ですから、学生もそこに注目して提案を考えてもらいたいです。選考委員も、ルールという言葉に惑わされず、それを超えようという意識を持っている建築家たちだと思います」

 ――ルールの新しい解釈とは。

 「法律など建築にまつわるルールは、人間がある条件の中で作ったものであり、絶対的なものではありません。合理的で、物事を進める上で都合の良いものではありますが、社会の変化に応じて見直されるべきです。ルールが更新されるからこそ進歩があるのです」

 「学生と話していると、『こうすべき』といった何か定量的に基準となるような答えを求める傾向があるように思います。『自分はこう思うから、こう解釈していいのでは』といったルールを読み替えようという姿勢も必要だと思います」

 ――ルールは時代によって変わっていくのですね。

 「例えば、高度経済成長期の日本は、定型3LDKと呼ばれる決まった間取りの集合住宅を大量生産していました。早くたくさんのものを作る時代では、このルールが最適解だったのでしょう。1980年に米国から日本に戻り、内井昭蔵先生の事務所に勤めはじめたころ、新聞に『これぞパーフェクトな住まいの形式』と定型3LDKのマンションが紹介されていました。当時は、最も効率的なプランであり、それが「完成形」と賞されたようです」

 「ところが社会の成熟とともに、自分たちの暮らしをルール(定型)に合わせるのではなく、自分たちの生活にあった形の建築があってもよいと気づいたのです。ルールは崩されてよいものだという思いを強くしました。この変遷はいつか、ルールをテーマとする研究課題として取り組んでみると面白いでしょうね」

 ――進行中のプロジェクトを紹介してください。

 「東京都板橋区にある小豆沢スポーツ公園の改修設計を手掛けています。これまで団地の中庭などの改修設計の実績はありますが、一つの公園の設計は新しい経験です。プロポーザルでは、公園全体に小豆沢ループと呼ぶ300mのランニングコースを提案しました。崖のある部分ではループがブリッジとなるなど、公園設計の中に建築的な提案を加えた点が評価されたようです。ランドスケープと建築の融合といった、これまでとは違う面白さを探究しています」。

(リレーインタビューは今回でおわります)

ERI学生デザインコンペ2017

【主  催】ERIホールディングス
【協  賛日本ERI、ERIソリューション、ERIアカデミー、東京建築検査機構、イーピーエーシステム
 【特別協賛】 日刊建設工業新聞社
【応募受付】 2017年9月1~20日
【一次選考】 2017年10月上旬
【最終選考】 2017年11月11日(公開審査)
【賞  金】  最優秀作品賞(1点)50万円、優秀作品賞(1点)25万円、佳作(数点)5万円、特別賞

【予防活動のさらなる徹底を】職場熱中症死傷者、7月時点で86人

2017年の1~7月に熱中症で死傷した全産業の労働者が前年同期比23人増の86人に上ることが厚生労働省の調査で3日明らかになった。

 産業別では屋外作業の多い建設業が24人と最多で全体の4分の1を占めている。同省は8月以降も熱中症にかかりやすい暑い日が続くとみて、2日付で労働基準局安全衛生部労働衛生課長名で日本建設業連合会(日建連)などの関係団体に予防の徹底を要請した。

 厚労省によると、今回集計した1~7月の職場での熱中症死傷者は前年同期比の増減数も含めて速報値ベース。これが確報値になれば倍以上の200人を上回るとみている。

 今回の速報値のうち、年間で熱中症に最もかかりやすい7月単月では53人(前年同期比16人増)の労働者が死傷した。現時点で産業別や死亡・重症といった症状別の内訳は確認できていない。

 気象庁によると、今年の7月は全国で平年の気温を上回り、北日本では2・4度、東日本では1・8度、西日本では1・5度、沖縄・奄美では0・7度それぞれ高かった。

 厚労省は、今年が初めてとなる官民合同の熱中症予防推進キャンペーンを9月まで展開中。8月も7月と同様に年間で熱中症に最もかかりやすいとして、2日付の通知では建設業団体などにキャンペーンに基づく予防活動の徹底を改めて求めた。

【4施設の併設提案】政府有識者会議、IR実施法案整備へ報告書

シンガポールにあるガーデンズ・バイ・ザ・ベイと
背後にあるIR施設「マリーナベイ・サンズ」
カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の整備に関する制度設計の大枠を検討してきた政府の有識者会議(議長・山内弘隆一橋大大学院教授)は1日、安倍晋三首相にIR施設の整備要件の提案などをまとめた報告書を提出した。

 IRを構成する個別施設として、カジノ施設に加え、▽国際会議・展示場などのMICE(国際的イベント)関連施設▽劇場・博物館などのレクリエーション施設▽訪日外国人旅行者に国内旅行を提案する施設▽ホテルなどの宿泊施設-の4施設の併設を義務付けることを提案した。

 カジノ施設の設置要件では、IR施設1カ所に設置できるカジノ施設の数を1カ所に限定。通路や飲食スペースなどを除いたゲーム専用フロアの床面積の上限を1・5万平方メートルとしているシンガポールの事例を参考に、カジノ施設の設置面積に上限を設ける規制の導入も求めた。

 政府は17~29日に9都市(東京、大阪、広島、福岡、仙台、高松、札幌、名古屋、富山)で今回の報告書の内容に関する説明・公聴会を開く。そこで出た意見などを踏まえ、今秋の臨時国会に提出するIR施設の整備要件などを盛り込んだIR実施法案の内容を詰める。

【公園PFIの活用検討】青森県むつ市新体育館、18年度着工へ

新体育館の外観イメージ
青森県むつ市が、山下設計に委託して進めていた新体育館の基本設計がまとまった。施設規模はRC一部S造2階建て延べ7907平方メートル。本年度中に実施設計を行い、18年度の工事着手、20年度の供用開始を目指す。事業実施に当たっては、財政負担の軽減と民間の創意工夫によるコスト縮減、サービスレベルの向上を図るため、都市公園法に基づく公募設置管理制度によるP-PFI(公園PFI)事業の活用を検討する。
メインアリーナ内観イメージ
続きはHP

【回転窓】技術研さんを重ねるために

ICT(情報通信技術)を活用した施工を広げるきっかけとなったi-Constructionによって、今後も現場で活用する新しい技術の開発がますます進展していくことが見込まれる▼ICT施工の導入分野が土工を皮切りに広がり、異分野の技術を取り込む機運も高まっている。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などを取り込んだ新しい技術を常に習得し、施工に生かしていく姿勢が技術者には必要だ▼国土交通省が技術者制度のあり方を検討しようと設置した有識者会議は、先ごろまとめた報告書で、継続的な技術研さんを積む不断の努力の必要性を説いた▼大手から地場中小まで裾野の広いこの業界。とりわけ地域に根付いた技術者が技術研さんを積むには個々の対応では限界がある。各社が所属する地域の団体が先導役となることが期待される。一部地域では自らICT施工研修を企画する動きもある▼現場に従事する技術者が忙しい中でも能力を高められるよう研修に参加しやすい柔軟な制度運用を図る。行政側には、地域の率先した取り組みを広めるための環境づくりが求められるだろう。

2017年8月3日木曜日

【どうなってるの!?、五輪施設整備】1回目は新国立競技場など7会場

 2020年7~9月に開催予定の東京オリンピック・パラリンピック競技大会。開幕まで3年余りとなったスポーツの祭典では、果たしてどんなドラマが生まれるのか。オリンピックでは、新たに追加された野球・ソフトボール、空手、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンを含め33競技の開催が予定されていて、舞台となる競技会場の整備も着々と進展している。

 競技会場は新設施設もあれば、既設施設を改修・改築する施設、仮設として整備する施設もある。33競技が行われる競技会場をめぐる動きをまとめてみる。1回目はメイン会場となる新国立競技場をはじめ7施設。(日刊建設工業新聞社調べ、7月時点)

新国立競技場
(オリンピックスタジアム)
クレーンがずらりと並ぶ進む新国立競技場の建設現場
(7月28日JSC定例会見資料より)
 【所在地】  東京都新宿区霞ヶ丘町10の2
 【開催競技】 陸上競技、サッカー、開会式・閉会式

 【施設動向】 1964年の東京大会で使用されたオリンピックスタジアムを解体し、2019年11月末までに最新鋭の競技場に生まれ変わらせる。規模は、S一部SRC造地下2階地上5階建て延べ19万4000m2。


 大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所JVが基本・実施設計と施工を担当し、2016年12月に本体工事に着手した。日本スポーツ振興センター(JSC)が所有し、閉幕後は球技専用として改修する案や運営手法にコンセッション(公共施設等運営権)方式を導入する案などが検討されている。

東京体育館
 【所在地】  東京都渋谷区千駄ヶ谷1の17の1

 【開催競技】 卓球

 【施設動向】 1964年の東京大会では、メインアリーナで体操競技、屋内プールで水球が開催された。さまざまな世界大会など大規模な競技大会が開催される都内でも中核的な体育館であり、約1万人を収容できるメインアリーナのほか、サブアリーナやプール、トレーニングルームなどを併設している。

 1954年の竣工時は東京都体育館の名称。1990年の全面改築に合わせて現在の東京体育館に変更された。2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた改修工事の基本設計が2016年9月に東京都から発注され、槇総合計画事務所が受託している。

国立代々木競技場
 【所在地】  東京都渋谷区神南2の1の1

 【開催競技】 ハンドボール

 【施設概要】 1964年の東京大会では、水泳とバスケットボールの競技会場として使用された。第一体育館(RC一部S造地下2階地上2階建て延べ約3万5200㎡、付属棟含む)、第二体育館(RC一部S造地下1階地上1階建て延べ約5600㎡)など複数の競技施設で構成される。

 2020年に向け第一体育館と付属棟、第二体育館を耐震改修する。耐震改修工事の基本設計、および実施設計は丹下都市計画設計・久米設計JVが受託した。耐震改修工事は6月30日に東京都から入札公告されていて、9月6日に開札予定だ。工期は2019年7月31日まで。

日本武道館
【所在地】  東京都千代田区北の丸公園2の3

【開催競技】 柔道、空手

【施設動向】 柔道をはじめとする武道の聖地。柔道がオリンピック競技として初めて採用された1964年の東京大会で競技会場となった。規模は地下2階地上3階建て延べ2万1133㎡。施設所有者は公益財団法人日本武道館。固定客席数は1階3199席、2・3階7846席。3階部分に480の立ち見席があり、アリーナに2946席の仮設席を配置すると、総収容は1万4471人となる。

 メインの大道場のほかに練習施設が一つしかなく、参加選手の人数に対応できない恐れもあることなどから、増築・改修工事が予定されている。本館南側の敷地に練習施設として「中道場(仮称)」を増築。中道場に着工後、2019年9月には本館を休館し、老朽化の懸念がある既存の大屋根などの改修工事に取り掛かる予定だ。増築・改修工事の基本設計、実施設計を山田守建築事務所が進めている。

皇居外苑

 【所在地】  東京都千代田区皇居外苑1の1

 【開催競技】 自転車競技(ロードレース)

 【施設動向】 江戸城のたたずまいを残す濠、城門などの歴史的建造物と大芝生広場が調和し、我が国を代表する公園として親しまれている。北の丸地区は旧近衛連隊の跡地が公園として整備されたが、皇居外苑地区との一体的利用が可能で散策やジョギングを楽しむ人も。

 ロードレースのスタート・ゴール地点とするため、一時的に仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)を備え付ける。基本設計は久米設計・東畑建築事務所・石本建築事務所JVが他の8会場と合わせて進めている。

東京国際フォーラム
 【所在地】  東京都千代田区丸の内3の5の1

 【開催競技】 ウエイトリフティング
 
 【施設動向】 1991年に新宿に移転した旧東京都庁舎跡に建つ、巨大な舟形のガラス棟がシンボリックな建物。東京五輪に向けホール棟(S一部RC・SRC造地下3階地上11階建て延べ10万3600㎡)、ガラス棟(S一部RC・SRC造地下3階地上7階建て延べ4万1477㎡)の改修を行う。

 改修工事の実施設計は森村設計が担当。改修工事は戸田建設・小沢組JVが落札した。電気設備と空調設備、給水衛生設備の改修工事も発注済みだ。

国技館
一般に知られている両国国技館は通称。正式名称は「国技館」
(ⓒ tokyo2020)
 【所在地】  東京都墨田区横網1の3の28

 【開催競技】 ボクシング

 【施設動向】 日本の国技である相撲の聖地。会場がすり鉢状になっていて、観客は四方から中央の競技を観戦することができる。プロボクシングのタイトルマッチなど数多くの大規模イベントを開催してきた。

 収容人数は1万1098人で1985年1月竣工。日本相撲協会が所有する。2020年のオリンピックでは仮設オーバーレイ(仮設観客席、テントなど)を備え付けるため、基本設計は久米設計・東畑建築事務所・石本建築事務所JVが他の8会場と合わせて進めている。

東京オリンピックの競技会場と開催競技一覧