2017年1月12日木曜日

【輝く!けんせつ小町】日本国土開発名古屋支店・河合はるかさん

 ◇職人さんを毎日無事に帰すのが仕事◇

 小学生の頃から、近所の家を見て回るのが好きで、将来は建築士になる夢を抱いていた。高校進学では迷わず建築系学科を選択。ただ、実際に設計の勉強をしてみると「どうも自分には向いていない」と。進路で悩んでいた時、就業体験で今の会社に3日間お世話になった。「現場を見せてもらったのですが、これだと思いました。現場の技術者や職人さんは格好良く、自分も同じように現場で働きたい」と強く思った。

 昨年春、高校を卒業し、就業体験の縁もあって日本国土開発に入社。1カ月間の本社研修を経て、5月から地元の名古屋に戻り、東山動植物園(名古屋市千種区)のゴリラ・チンパンジー獣舎新築工事の現場に配属された。「最初はまったく現場の用語が分からず、上司や先輩にどういう意味なのか聞いてばかりでした。用語の意味が理解できたら、現場に行き、実際にそれがどのような作業なのか、どのような機械や工具なのかを確認していました」。

 現場に出て約8カ月。少しずつだが、現場用語を覚え、作業内容も分かってきた。モットーにしていることが一つある。職人さんと上司のただの“伝言係”にならないこと。「ただ質問内容を伝えるだけでは誰にでもできます。質問が専門的で自分には答えられなくても、質問の意図やこの後、やろうとしていることを自分なりに考えてみる。小さなことから、職人さんと上司とのやりとりを見て勉強しています」。

 現在、安全対策や新規入場者の管理・教育、工事写真撮影、コンクリートなどを担当している。現場に出ると、今も会社の上司や先輩だけでなく、職人さんにも教えられてばかりいるという。先日も職人さんから「コンクリートは生き物だから、ちょっとのことでも変わる」と言われ、「硬くて冷たいコンクリートのイメージが一変し、奥深い世界がある」ことを知った。

 職人さんは自分の父親世代か、それ以上の方が大半。そうした人に指示するのは大変ではないかと聞くと、「職人さんは優しく、親切に接してくれます。先日、上司が“職人さんを毎日無事に家に帰すのがわれわれの仕事”と言っていました。私もそう思います。だから新入社員の私でも、危険だと思ったら声を掛けるように心掛けています」。

 将来の夢は「現場所長になる」こと。「いまの現場事務所はまるで家族のような感じです。そんな明るく、楽しい現場環境をつくれる所長を目指します」。

 (東山動物園作業所、かわい・はるか)

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