2017年1月4日水曜日

【最先端技術を紹介】フジタ技術フェア、VRや無人化施工など目白押し

 フジタが技術センター(神奈川県厚木市)で開催している技術フェアは、顧客など限られた来場者に自社の最先端技術をPRする毎年恒例のイベント。昨年10月に開いたフェアでは重機操縦ロボットのデモや話題のVR(バーチャルリアリティー)機器など紹介した。建設会社の技術開発はどこまで進んでいるのか-。フェアに参加した日刊建設工業新聞社の女性記者が展示内容などを報告する。

 技術センターは1999年に完成。敷地面積は2万8500㎡、研究棟(RC+S造、免震構造)と実験棟(S造、制震構造)で構成する。建物に入ってまず目に入ったが正面玄関側の研究棟中央に位置する大吹き抜け空間「アトリウム」だ。自然採光・通風を採り入れた開放的なスペースには植栽が置かれ、環境技術の実験場になっている。フェア当日は大空間を利用してブースが設置され、多くの参加者でにぎわっていた。

 記者が体験したのは▽防耐火技術▽無人化施工技術▽放射冷暖房▽BIMを活用した建物管理▽振動制御技術▽免震技術▽建設現場の仮想体験など。

 半日で見て回るには盛りだくさんだったが、内容はもちろん、説明からデモ、質疑応答へと研究者の方々のスムーズな進行に感心してしまった。素人にも分かるよう説明するプレゼン能力は好印象だった。

 災害復旧現場などで活躍する無人化施工技術も体験した。無線で遠隔操作する重機操縦ロボット「ロボQ」は持ち運びができ、メーカーを問わずに取り付けられるのがポイント。すでに全国の災害現場で適用事例があり、昨年の熊本地震でも出動した技術だ。

 VR機器を利用して建設現場を仮想体験できる技術も初お目見えした。ヘッドマウントディスプレーを装着すると、施工中のRC造マンションでは日本一の階数となる 西新宿五丁目中央北地区第一種市街地再開発事業」の現場VR空間に瞬間移動。高さ200m、60階建て超高層ビルの屋上と同じ高さから都心が見渡せ、思わず足がすくむような臨場感が味わえる。高所恐怖症の人にはお勧めできないかも…。

 この技術は竣工前の内装シミュレーションにも活用できる。例えば分譲マンションで、購入者が部屋のフローリングや壁紙など竣工前に選ぶオプションを実際に近い形で見ることが可能。顧客満足度を高められる技術だ。

 ゼネコンの保有する技術は土木・建築から環境、ICT(情報通信技術)まで幅広い。安心・安全な社会づくりや快適な生活のため、日々研究に励む研究者一人一人の姿が印象的だった。

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