2017年2月13日月曜日

【回転窓】「保活」を不要にするには

近所の幼稚園に隣接する家屋の解体が終わった。住人との協議の結果、園が買い取り、住人は駅の近くのマンションに引っ越したという。園児の声が騒音問題になっていたそうだ▼この幼稚園は4月から保育所を兼ねた幼保一体運営に移行する。「良好な保育環境を維持するため購入しました」と園の責任者。住人とは円満解決だったというが、子どもの騒音が身近な問題だったことを初めて実感した保護者も多かったようだ▼保育所の受け入れ可否の通知が自治体から届く時期となり、子どもを保育所に入れる「保活」に関するニュースが目立ってきた。子どもを預けたいニーズと受け入れ可能数にギャップがある待機児童問題は簡単には解決しそうにない▼朗報もある。政府は都市公園法などを改正し、特区内に限っていた都市公園に保育所を設置できる措置の一般化を目指すという。女性の復職や再就職の後押しにつながる法改正の効果に期待したい▼一方で、新たな騒音問題の発生も心配だ。公園の一部が保育所になることに疑問を持つ人もいよう。保活を不要にするには、まだまだ知恵と工夫、地域住民の善意も要る。

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