2017年2月8日水曜日

【スマートスタジアム事業が始動】Jリーグ、初弾プロジェクトにユアテックスタジアム仙台選定

Jリーグ・ベガルタ仙台のホームスタジアム、ユアテックスタジアム仙台(仙台市泉区)がスマートスタジアムに変貌を遂げる。

 Jリーグは7日、スタジアムを高密度wi-fi化する「スマートスタジアム事業」の初弾としてユアテックスタジアムを選定したと発表。ベガルタ仙台によると、2万人近い観客が一斉に利用しても動画などがスムーズに見られる通信環境が実現できるという。約170基の公衆無線LANアクセスポイント(AP)が整備され、スタジアムの全観戦エリアと近隣エリアは無料でwi-fiが利用可能になる。

 スマートスタジアム化のためのハード整備費用はJリーグやNTT、2017シーズンから試合中継を行うDAZN(ダゾーン)が全額負担。コンテンツ開発費や設備運営費などのランニングコストはベガルタ仙台が負担する。

2月25日の2017シーズン開幕戦から利用できる。ベガルタ仙台はスマートスタジアムを来場者に楽しんでもらうため、独自のポータルサイト「VPORT」を立ち上げる。ホームゲームごとに試合当日だけ閲覧できる限定コンテンツを用意するほか、チームや選手のオフショット動画、テキスト情報、マッチデープログラムなどを提供する。

 仙台市とも連携し、webスクレイピング技術を活用した地域情報の提供も行う。同技術では仙台市がホームページなどの観光情報やグルメ情報を更新すると、自動的にVPORTの情報も最新版に切り替わるという。ベガルタ仙台と仙台市は今後、より多くの来場者、市民に楽しんでもらえるコンテンツづくりや情報内容などを検討、実施していく考えだ。

 Jリーグは、NTT、動画配信大手・英パフォームグループの日本法人(パフォームインベストメントジャパン)と昨年、スタジアムで高速・高密度通信を可能にするスマートスタジアム事業で協業する契約を締結。2017~2026年シーズンの10年間で、J1クラブのホームスタジアムを中心に高密度wi-fi化のための設備投資を実施する。ICT(情報通信技術)を活用してさまざまな情報を提供することで、スタジアムだけでなく周辺地域も含めたにぎわいの創出や新産業の育成、コミュニティの形成につなげる狙いがある。結果的に新たなファン層の開拓、スポーツ産業の発展を目指す。

ベガルタ仙台は、Jリーグら3社の協業が決まり、スマートスタジアム構想が発表された直後から、ユアテックスタジアムへの導入を強力に働き掛けてきた。まずはシーズン開幕戦で高密度wi-fiが利用できる環境を整備した上で、コンテンツの充実を図っていく。災害発生時など不測の事態が行った場合、ユアテックスタジアムとその周辺は防災・広域避難拠点として、利用登録なしでwi-fiが使える。

 Jリーグは引き続き対象スタジアムを選定して高密度wi-fi化のプロジェクトを進めていく。スタジアムのスマート化では昨年、J1・大宮アルディージャとNTTが連携しホームスタジアムのNACK5スタジアム大宮でプロジェクトを試行していた。ユアテックスタジアムのスマート化はJリーグなど3社の枠組みでは初の事業となる。

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