2017年3月16日木曜日

【五輪対応仮設費は別途協議】横浜スタジアム増築改修、設計施工予定者は清水建設

横浜スタジアムの増築・改修イメージ(ⓒ清水建設)
横浜スタジアム(横浜市中区、岡村信悟社長)とプロ野球・横浜DeNAベイスターズは、横浜スタジアムの増築・改修計画を横浜市に提出、プロジェクト実現に向けた協議に入る。現在2万9000人の収容人数を約3万5000人に増席するとともに、観客により楽しんでもらう観戦環境を用意するため、展望デッキ席や個室観覧席などを設ける。球場と公園の一体化や内外野観の回遊性を高めるためのデッキも新設する。
屋上テラス席のイメージ(ⓒ清水建設)
同スタジアムは2020東京五輪の野球・ソフトボール競技で主会場になることが決まっている。競技開催に当たっては東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が定める「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」に沿ったバリアフリー対応が必要になる。増築・改修計画ではバリアフリー化推進の目的でスロープやエレベーターの新設も予定しているが、同ガイドラインへの対応に必要な車いす席やエレベーターの増設、動線確保などについては、仮設費用の負担や設計、工事の発注方法を含め「大会組織委や東京都、横浜市などと今後協議する」(横浜スタジアム・葛西光春常務)としている。
個室観覧席のイメージ(ⓒ清水建設)
工事期間は2017年11月~2020年2月を予定。費用は85億円を想定している。この費用には五輪開催に必要な仮設設備の設置コストは含まれていない。設計・施工は清水建設を予定している。

 球場は国有地に立地し、施設は横浜市が所有する。1978年の完成時、第3セクターの横浜スタジアムは施設を市に寄贈すると同時に協定を結び、興行使用権を取得。以来、運営管理を担っている。

 公共施設を民間が増築・改修する事業スキームになるため、プロジェクト実施には横浜市議会の承認を受ける必要がある。完成後に増設したスタンドなどの施設を民間から行政にどのようなスキームで引き渡すかも検討課題になる。公共施設を民間が改修するプロジェクトは、Jリーグ・セレッソ大阪が本拠地・キンチョウスタジアムで計画。セレッソ大阪は改修に向けて費用を募金などで集め、完成後、増築・改修部分を大阪市に寄付する方法の採用を予定している。

 横浜スタジアムらは今後、計画実現に向け関係法令への対応などを横浜市と協議。2020年春に完成できるよう市と連携して計画内容を詰める考えだ。
増築席ドリームゲートの完成イメージ(ⓒ清水建設)

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