2017年3月31日金曜日

【回転窓】建設業の働き方改革元年

政府が働き方改革実行計画を策定した。日本の産業界の課題とされる長時間労働の是正に向けて今後、労働基準法など関連法制度の改正作業が始まることになる▼今回の実行計画でポイントとなるのが、長時間労働の代表選手ともいえる自動車運送業と建設業の扱い。国土交通省所管の両業界とも残業時間の規制がない「適用除外業種」である。石井啓一国交相は、両業界の将来の担い手を確保するためにも適用除外の見直しが必要との方向性を示し、並々ならぬ覚悟で計画づくりの議論に臨んだ▼安倍晋三首相もこれに理解を示したのに加えて、両業界の長時間労働を改善するには「荷主や施主の理解が必要」と指摘した。これにより両業界の働き方改革は、それぞれの業界内部だけではなく、全産業的な課題になった▼首相にそこまで言わせるためには、水面下で相当の議論があったものとみられる。建設業界にとっても、他産業並みの労働環境を構築する歴史的転換点になろう▼大切なのは、計画を絵に描いた餅にしないこと。実行あるのみだ。あすからの17年度が建設業界の「働き方改革元年」となることを期待したい。

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