2017年3月24日金曜日

【回転窓】働き方改革の鍵握るのは

「仕事の量は昔の倍になったのに給与は変わらない」。建設コンサルタントの関係者がそんな愚痴をこぼすのを聞いた▼パソコンや携帯端末の普及と情報通信環境の急速な発展によって文書作成や情報収集、連絡などの作業が効率的になったと実感する人は多かろう。では業務効率化で生み出された余裕時間は何に充てられているのか▼企業の関係者に聞くと、品質に関する発注者からの要求事項の増加が仕事が増える一因だという。業務が効率化していることを発注者も知っているため、従来はなかった要求事項が追加されるケースが多いそうだ▼業務品質向上の重要性は理解するが、企業努力でせっかく生み出した余裕時間が同じ業務のより高い品質要求をクリアするために使われるのは疑問、というのが企業側の言い分。これでは収益や賃金のアップにつながらず、モチベーションも上がらない▼自民党の働き方改革特命委員会が21日にまとめた最終報告には「過剰なサービス・品質への要求に応えようとすることが長時間労働の原因」との文言も。働き方改革を進める上で、発注者の理解はやはり大きな鍵を握っている。

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