2017年5月29日月曜日

【建設業の心温まる物語】ヒメノビルド・北山昇平さん(愛知県)

 ◇この仕事を続けていく覚悟ができた日◇

 入社して1年目に、マンション新築工事現場に配属になりました。8カ月間の工事でした。施主さまは親の代から続いていたご商売をやめられ、敷地内にマンションを建設するという計画でした。近くにお住まいのため、毎日施主さまと顔を合わせました。そのご様子から、マンションが完成する日を毎日楽しみにしていらっしゃることをひしひしと感じました。

 私は入社1年目であったため、上司に指示された目の前の仕事をとにかく一所懸命に行っていました。ほうきで現場を掃いたり、ゴミを拾ったりして行う現場の清掃。夏の暑い中、作業員さんと一緒にバイブレーターを持ちながらのコンクリート打設作業。夜にはドラフターに向かっての施工図作成。朝から夜まで働きどおしで正直なところ体はきつかったですが、それ以上にこれまでの人生の中で、経験したことのないほど充実していました。

 建物が完成に近づき足場を解体すると、マンション全体の姿が現れました。自分が関わって作ったと思うと感無量でした。その日の夕方、施主様から声をかけられました。「できましたね。ありがとう。毎日朝早くから夜遅くまでたいへんでしたね」と言われました。その一言で、やりがい、働きがいを感じ、この仕事を続けていく覚悟ができました。そしていくら苦労をしても、見てくれている人が必ずいるということを改めて実感できました。

0 コメント :

コメントを投稿