2017年5月9日火曜日

【記者手帖】建設技術と感動

大型連休中にたまたま放送していた映画「黒部の太陽」を思わず最後までじっくり見てしまった。普段、映画もドラマも見ないので、俳優も石原裕次郎と三船敏郎ぐらいしか分からないのだが、登場人物の鬼気迫る演技はさすがに圧巻だった◆振り返ってみると、建築や土木の世界に初めて興味を持ったきっかけも、偶然目にした東海北陸自動車道飛騨トンネル工事の記録映像だった。それまで漠然と、日本のトンネル掘削技術は世界一とは思っていたが、その技術力の一端を目の当たりにし、立ちはだかる非常な困難を技術を尽くして乗り越える姿が感動的ですらあった◆この国は災害が多く、地理的には世界一複雑な地質といってもいいだろう。そんな土地に安全で安心に暮らすには最先端の土木技術が不可欠だ。高度経済成長期が終わり、もう「黒部」のような重厚長大の時代ではないが、技術の重要性は変わらない◆新米記者として1年余り。技術を記事にするためには、その前提となる知識が必要だと痛感する。いい記事が書けるよう、いつもあの感動を思い出しながら勉強を続けたい。(木)

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