2017年5月11日木曜日

【上野駅を大規模改造】京成電鉄、東京五輪見据え設備投資加速

 京成電鉄は、2020年東京五輪の開催を見据え設備投資を加速させる。

 インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加を見込み、スカイライナーで成田空港に接続する京成上野駅(東京都台東区)内部のリニューアルを推進中。ほかの駅でも駅施設のバリアフリー化やトイレの洋式化などを展開する。

 こうした取り組みの事業費を含めた17年度の設備投資の総額は前年度比33%増の157億円。

 同社を代表するターミナル駅の京成上野駅(地下2階建て延べ約1万3000平方メートル)は上野公園内に位置し、周辺には博物館や美術館、動物園や音楽ホールなど文化・芸術施設が立ち並ぶ。

 こうした立地特性を踏まえ、リニューアルのデザインコンセプトには「『緑や文化との融合』をテーマとした魅力ある駅空間の創造」を掲げた。上野公園の木々や文化施設の石造りのイメージをデザインに取り入れ、内装に木目調のシートや、石を模したタイルを使用する。

利用者へのサービス向上を目指し、改札外のコンコースに観光案内所を新設するほか、幅広の自動改札機の増設や、店舗区画のリニューアルと多機能トイレの整備に取り組む。リニューアルの設計は大林組、施工は大林組・京成建設JVが担当。工期は4月から19年3月まで。

 インバウンド対応の取り組みとして、鬼越駅と京成大和田駅では駅舎のバリアフリー化、成田空港と京成大和田駅ではインバウンド向けにトイレの洋式化や温水洗浄便座の設置を進める。

 このほか、安全対策にも注力する。9日に公表した17年度の設備投資計画によると、押上線の四ツ木駅~青砥駅間(東京都葛飾区、延長2・2キロ)の連続立体交差事業の具体化に向け、用地取得と並行して準備工事に着手。安全性の維持向上のため、軌道や電気、踏切など各種設備の更新・改良も行う。大規模地震への対策の一環で、お花茶屋駅の駅舎と京成成田駅~空港第2ビル駅間の高架橋の柱と橋脚の耐震化工事なども展開する。

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