2017年6月21日水曜日

【動画配信など積極展開】建設関連各社、広報活動で新機軸

 建設関連各社が広報活動で新たな取り組みを展開している。インターネットの動画投稿サイト・ユーチューブを活用し、「食べられる建物」の建設プロジェクトを再現したドラマや、タレントを起用したダンスの動画を公開するなど、建設業になじみのない若い世代にイメージの刷新をアピールしている。

 戸田建設は4月、同社のPR動画「世にもおかしな建築物PROJECT」をユーチューブで公開した。動画は、建設会社に勤める2児の父・山本が子どもから「食べられる建物」を作ってほしいとせがまれるところから始まる。山本は仲間を説得し、お菓子を材料に建物を造るプロジェクトが始動。実際の建設プロセスを忠実にたどり、食べられる建物を実現していく。

 建物のデザインコンセプトにある秘密が隠されており、最後のシーンで明らかになる。時間は約4分。出演者は全員、同社の社員で現実の役職に応じた役回りを演じている。施工は東京製菓学校でお菓子作りのプロの指導を受けて行ったという。

 動画制作を手掛けた価値創造戦略ユニットの担当者は、「当社のイメージを刷新し、『真面目』『堅実』の中にも遊び心があり、個性にあふれた集団であることをアピールしたい。建設業になじみのない若い世代のイメージ刷新にもつなげたい」としている。

 東急建設は、建設業の社会的な役割や使命などをPRする動画を制作し、6月に同社のウェブサイトやユーチューブで公開した。若手社員による企画で、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のダンスユニット「エグスプロージョン」が出演。同社と協力会社の社員と共に、人々の生活を守る建設業の魅力を歌とダンスで表現している。

 動画のテーマは「建設業の変」。「指差呼称」など安全を重視する現場の姿、中高年男性が多い業界イメージの中でも若い男性や女性も働いているといった建設業の実情を身近に感じてもらえるよう、切れのあるダンスとユニークな歌詞となっている。

 ◇HPリニューアルで情報発信力強化◇ 

 本年度に入り、ホームページを拡充している企業も目立つ。近年の就職活動はインターネットが主要なツール。学生との最初の窓口となるのが企業のホームページで、各社とも工夫を凝らしている。

世紀東急工業は、ホームページを全面的にリニューアルした。トップページのデザインや構成、各ページを全面的に刷新し、使いやすさを大幅に向上させた。

 採用サイトも刷新。先輩のメッセージや仕事内容、教育・研修制度などを詳しく紹介し、入社後の姿を想像しやすいようにした。

 丹下都市建築設計もホームページをリニューアル。丹下健三時代から現在までの国内外の作品の紹介にとどまらず、完成に至るまでのストーリーや建築設計、都市設計に懸ける思いを掲載している。

三菱地所設計は、歴史的建造物を活用・継承する再開発プロジェクトの経験を通して確立した設計手法を「歴史的建造物の継承設計」と定義し、ホームページで公開した。

 同社は明治以降に建てられた建造物の活用・継承を伴う再開発プロジェクトなどを20件以上手掛けている。設計ノウハウを紹介し、各地に残る歴史的建造物の保存・活用・継承を促すことで、次世代に地域の歴史と文化を伝えていく。

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