2017年6月6日火曜日

【回転窓】雨を楽しむ余裕を

このところ爽やかな気候が続いた関東も今週半ばからは天気が下り坂の予報。既に沖縄・奄美地方は梅雨に入り、気象庁によると、九州から関東甲信までの範囲も今週後半に梅雨入りの可能性がある▼日常生活や農業、工業などに使う水を蓄える上で梅雨は欠かせない。ただじめじめした天気がひと月余り続くかと思うと、毎年のことながら憂鬱な気分にもなる▼梅雨には麦雨(ばくう)や水取雨(みずとりあめ)、芒種雨(ぼうしゅあめ)など多くの別名がある。このうち芒種雨は、二十四節気で6月6日ごろ、旧暦4月末~5月初旬を芒種と呼び、田植えをし麦の種をまく時期に当たることに由来する▼猛烈な雨が降る回数が増え、大規模な土砂災害が全国各地で相次ぎ発生している。雨が多くなる時期を間近に控え、行政機関などが主催する防災訓練を紙面で紹介する機会も増えている。自然が相手なので、「備えあれば憂いなし」とは言い切れないが、どうか大きな災害が起きないようにと祈りたい▼梅雨は梅が実を付け育ち始める時期とも重なる。その情景を詠んだのが〈青梅に手をかけて寝る蛙哉〉一茶。嫌悪ばかりせずに雨降りを楽しめる余裕を心に持ちたい。

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