2017年7月5日水曜日

【技能教育リポート】沖縄産業開発青年協会/共同生活通じ協調性養う

 豊かな自然に囲まれた広大な敷地を持つ沖縄産業開発青年協会(沖縄県東村、吉川浩正理事長)。建設現場の作業に必要な技能・技術の訓練を行う約半年間の「青年隊」活動を60年以上にわたって行ってきた。

 3食付きの寄宿舎での共同生活で協調性を養いながら、車両系をはじめ計11種類の資格を取得。これまでに約8500人が巣立ち、県内の建設業者を中心に活躍している。

 入隊資格は15歳以上の男女。定員は4月入隊が80人、10月入隊が60人。早朝マラソン、携帯電話の使用時間制限など、厳しく規則正しい共同生活や訓練を通じて「自主自律の精神」「開拓精神」を培い、「人間力」を高めていく。

 半年間の訓練で取得できる資格は、▽大型特殊自動車免許証▽小型移動式クレーン運転技能講習修了証▽車両系建設機械運転技能講習修了証(整地・運搬・積み込みおよび掘削用)▽フォークリフト運転技能講習修了証▽ローラー特別教育講習修了証▽車両系建設機械運転技能講習修了証(解体用)▽玉掛技能講習修了証▽ガス溶接技能講習修了証▽アーク溶接特別教育講習修了証▽刈払機特別教育修了証▽伐木特別教育修了証-の11種類。

 40人いたら全員がこれらの資格を取得し、落第生をつくらない。「シンプルさと頑固さを追求した訓練が自分の将来を切り開き、実践に強い人間力を高めることになる」と吉川理事長は強調する。

 青年隊活動とは別に、15年度から建設業振興基金(内田俊一理事長)が受託している厚生労働省の「建設労働者緊急育成支援事業」の地方拠点の一つとして、職業訓練、資格取得、就職先紹介をすべて無料で提供する事業も手掛ける。

 5月10日~8月10日の3カ月の日程で進行中の「建設ものづくりコース」(17年度第1回)では、15歳から63歳まで計21人の訓練生が、型枠、鉄筋、足場、管工事、電気工事、排水設備などの仕事の基礎を学びながら、資格取得にもチャレンジする。

 同コースの講師の一人は、「3カ月の訓練で覚えることができるのはせいぜい10段階の2程度だが、材料や工具類の名称を覚え、現場の流れをつかむことができれば、入職後の成長スピードも大きく変わってくる」とその意義を強調する。

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