2017年8月9日水曜日

【回転窓】大学入試制度改革を控えて

おそらく受験生であろう。近くの図書館に行くと、閲覧席で勉強する多くの中学生らの姿があった。インターネット全盛の時代となっても、この時期に図書館で見られる光景は以前と変わらないようだ▼現在の中学3年生は、2020年度の大学入試制度改革に伴う「大学入学共通テスト(仮称)」を受ける1期生。国語と数学で新たに導入されるのが記述式問題だ。大学入試センターが5月、モデル問題例を公表した▼国語では「駐車場使用契約書」を読み、借主が不利益にならないための方策を記述する問題などが例示されている。論理が明確で実社会と関わりが深い契約書の文章を題材とし、的確に読み取る力と目的に応じた表現力を問うのだという▼「経済界の意向を色濃く反映した入試制度改革が設問にも現れている」。教育関係者からそんな声も聞かれる▼冒頭に「以前と変わらない」と書いたが、最近は学生が勉強するのを禁止する図書館も少なくないのだとか。マナーが悪ければ諭し、必要があれば利用できる制限時間を決めればいい。問題を読み解く力と解決策の表現力を問われるのは、受験生だけではない。

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