2017年8月9日水曜日

【ものづくりの楽しさ、知ってもらえたかな?】福岡と奈良でけんせつ小町現場見学会

 日本建設業連合会(日建連)が主催する「けんせつ小町活躍現場見学会」が福岡市と奈良市で開かれた。3日の「(仮称)桜坂3丁目計画新築工事」(福岡市中央区、施工=三井住友建設)には10家族33人が参加。7日の「新奈良県総合医療センター新築工事」(奈良市、施工=奥村組・村本建設・山上組JV)は女子小中学生と保護者36人が参加した。

 ◇子どもたちが配筋や測量に挑戦◇

 福岡市の現場見学で、日建連の北井久美子けんせつ小町部会長は「普段学校ではできない体験をし、いい思い出を作って将来の就職先として建設業を目指してもらえれば」とあいさつ。同社の城島和貴子さんから鉄筋コンクリートの仕組みや作業工程などの説明を受けた後、現場を見学した。

 参加者は躯体工事が最盛期を迎えている建物の内外を見て回り、鉄筋の配筋作業や型枠のくぎ打ち、測量などを体験したほか、大型クレーンにも試乗した。

 福岡県うきは市から参加した小学6年生の女子児童の母親は「ものづくりが好きな子どもの将来を考え、お仕事体験として参加した。工事現場は危険と思っていたが、女性でも活躍できる仕事があると分かった」と話し、小学1年生の妹と母親と参加した福岡市内の小学3年生の女子児童は「ドキドキした。ハイウオッシャー(高圧洗浄機)を使ったり、鉄筋を組み立てるのが楽しかった」と満足そうな笑顔を見せた。

 見学後、同社の則久芳行会長は「夏休みの宿題や自由研究、絵日記にきょうの体験を生かし、学校の友達にも楽しかったこと、けんせつ小町が頑張っていることを伝えて」と呼び掛けた。

 同現場で働く進由貴子さんは「建設現場が意外ときれいで女性でも普通に働けることを伝えていければ」と話し、藤田裕二作業所長は進さんの仕事ぶりについて「チェックやきめ細かな作業もきっちりとこなしてくれる」と信頼を寄せていた。

 同工事は三菱地所レジデンスが計画する322戸、4棟総延べ3万5099平方メートルの大型マンション新築工事。工期は18年10月末。


 ◇免震構造の役割、子どもたちに紹介◇

 奥村組JVが奈良市内で施工する建築工事の見学会。木村真也作業所長(奥村組)が建築概要などを説明した後、現場で働くけんせつ小町の伊庭花子さん、坂下由佳さん、亀山佑美さん、岩井涼子さん、喜多万奈巳さんの5人が現場を案内した。

 参加者は地下階に設置された免震装置や、建設が進む病棟、外来診療棟などを見て回った。ブリヂストンの協力を得て免震体験車にも乗車。兵庫県南部地震など過去の地震波データを基に再現した地震の揺れと、免震装置を設けた場合の揺れの違いを体験し、免震の役割など学んだ。

 見学会終了後、子どもたちからけんせつ小町に「建設業で働きたいと思ったきっかけは何ですか」「現場でつらかったこと、楽しかったことは何ですか」など多くの質問が出された。

 現場で働く伊庭さんは「建築現場には多くの職種がある。つらいことも多いが、女性でも活躍できる場がたくさんあることを分かってもらえるとうれしい」と話していた。

 新奈良県総合医療センターは、教育研修棟・外来中央診療棟・病棟で構成する本館棟が地下1階地上7階建て、エネルギーセンター棟が地下1階地上1階建てで、総延べ床面積は約6万7500平方メートル(540床)。12月の完成、18年春の開院を予定している。

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